ゲッティ イメージズが外部サイトへの画像埋め込みツールを公開、非商用目的に限り無料で使用可能に

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ゲッティ イメージズが外部サイトへの画像埋め込みツールを公開、非商用目的に限り無料で使用可能に

 画像や映像を中心に100カ国以上でデジタルコンテンツを提供するゲッティイメージズは6日、同社が保有する画像の一部を無料で外部サイトに埋め込むためのツールを公開した。画像を使用するには通常、ライセンス料を支払わなければならないが、ゲッティのライブラリーに保管されている1億5,000万点の画像のうち4,000万点について、非商用目的であれば無料でブログやソーシャルメディアなどに転載できるようになる。

 画像埋め込みツールはゲッティが著作権侵害対策を検討するなかで考案された。クレイグ・ピータース上級副社長によると、ソーシャルメディアの普及などを背景に、デジタルコンテンツの無断使用が急速に増加しており、同社では昨年だけで数千万点の画像が無断で外部サイトに転載された。ゲッティは合法的にコンテンツを入手できる手段を用意することで、違法行為を減らすことができるのではないかと考え、一部の画像を無料で開放する代わりに使用状況を常に監視できるシステムを構築した。

 ゲッティのウェブサイトで画像を検索すると、固有の「埋め込みコード」が表示され、これを転載先のウェブサイトやブログのソースコードに貼り付けると画像の埋め込みが完了する。画像の下にはゲッティ イメージズのロゴ、画像に関する説明、サイトへのリンクなどが表示される仕組み。ブログやソーシャルメディアを通じてロゴ入りの画像が広く共有されることで、ゲッティはブランド認知度を高めることができ、ユーザーに関する基本情報も入手できる。

 ゲッティは新ツールの導入が結果的に商用目的のライセンス販売を押し上げるとの見方を示しているが、今回の試みが今後も維持されるのか、新たなビジネスモデルへの転換点なのかは不明。ただ、デジタルコンテンツの著作権管理をめぐる新たな取り組みとして注目される。

(Future of Copyright, 2014/3/6)

(庵研究員著)

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