PC遠隔操作事件で、警察は“完敗”!

クラウド情報セキュリティ

遠隔操作ウイルスに感染したPCから犯行予告が送られた事件で、犯人が利用したのは、世界中のサーバーを無作為に経由し通信記録を暗号化する匿名化技術「Tor(トーア)」だ。情報セキュリティー各社の担当者は「トーアが使われれば、発信元にたどり着くのはほぼ不可能」と口をそろえる。(産経新聞の記事より)

警視庁や大阪府警、神奈川、三重両県警は19日、140人態勢の合同捜査本部を設置。技術力の高いサイバー捜査官らを集め、警察の威信をかけた捜査に乗り出した。だが、周囲の捜査員の間ではすでにあきらめムードが広がる。

 ある捜査幹部はこう言って完敗を認めた。「真犯人が何らかのミスをしていない限り、たどり着くのはかなり難しいと思う。そもそも、たどり着けないプログラムを使っているんだから……。真犯人が逆の立場になってもできないだろう」

 遠隔操作の指令に犯人が利用したのは、世界中のサーバーを無作為に経由し通信記録を暗号化する匿名化技術「Tor(トーア)」。情報セキュリティー各社の担当者は「トーアが使われれば、発信元にたどり着くのはほぼ不可能」と口をそろえる。

 さらに問題なのは、世間を震撼(しんかん)させた今回のウイルスが、専門学校で教えられる程度のプログラミング技術で簡単にできてしまう点だ。

yd_pc.jpg

トーアのソフトは8年前からネット上でだれでもダウンロードできる。

サイバー犯罪をめぐって警察がコケにされたのは、今回が初めてではない。平成22年10月、警視庁公安部外事3課の国際テロ関連資料のネット流出事件もそうだ。

資料を流出させた犯人は、関係者にメールを送信した際、当時の警察庁長官と同じ「takaharuando」を名乗った。このとき使われた匿名化ソ フトもトーアで、事件はいまだ解決に至っていない。ネットセキュリティー会社「マカフィー」の本橋裕次サイバー戦略室長は「サイバー空間では捜査当局より 悪意あるユーザー側が圧倒的に優位」と言い切った。

 お手上げの状況は海外も同じ。欧米や中南米で今年1?6月、ウイルス感染したPCのネット口座から60億円以上が不正送金される被害が発覚したが、米連邦捜査局(FBI)もウイルス拡散に利用されたサーバーを追跡しきれていない。

 「警察・検察の方へ あそんでくれてありがとう」

 真犯人は犯行声明の最後にこう記した。ここまで警察が弄ばれたのは昭和59年に起きたグリコ・森永事件以来かもしれない。無関係の人が事件に巻き込まれる不安と犯人が捕まらないことへの失望。28年前と同じ二重の不信が警察の屋台骨を揺るがしている。

出典元:誠 Style (http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1210/22/news026_2.html)

 

 

コメントを投稿する




*

※コメントは管理者による承認後に掲載されます。

トラックバック