政治家の発言をリアルタイムでチェック、ワシントン・ポストが真偽判定の自動化アプリを開発

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政治家の発言をリアルタイムでチェック、ワシントン・ポストが真偽判定の自動化アプリを開発

 米有力紙ワシントン・ポストは1月29日、政治家の演説や発言内容が事実に即しているかどうかをリアルタイムでチェックするためのニュースアプリ「トゥルース・テラー(Truth Teller)」のデモ版を公開した。

 トゥルース・テラーは動画から抽出した政治家の演説やコメントをテキスト変換し、ワシントン・ポスト紙のデータベースと照合するシステム。ユーザーがチェックしたい文章を指定するとアルゴリズムを用いて主張や発言内容が事実に即したものかどうかを判定し、事実と異なる場合は画面に「False(ウソ)」の警告が表示される。さらに「view source(ソースを見る)」のボタンをクリックすると、虚偽と判定した根拠となる記事にアクセスできる仕組みになっている。

 トゥルース・テラーはワシントン・ポスト紙の政治部長スティーブン・ギンズバーグ氏の着想をもとに開発が進められた。同氏はティーパーティーの主要メンバーで大統領候補の1人だった共和党のミシェル・バックマン前議員が2011年にアイオワ州で行った演説のテレビ中継を見ている際、同氏が聴衆をミスリードする発言をくり返していることに気づき、視聴者が政治家の主張やコメントの真偽をリアルタイムでチェックできるシステムを構築したいと考えた。

 専用サイトで公開されたデモ版は開発段階のもので、テーマも税制改革に限定されている。今後さらに改良が加えられる可能性もあるが、テキスト変換から真偽のチェックまですべて自動で行うシステムが実際にどの程度機能するかは不透明だ。具体的な数字など、分かりやすい情報が入っている場合はうまく機能しそうだが、どこの国でも敢えてあいまいな表現で聴衆をミスリードする政治家は少なくないため、データベースと照合して真偽を確かめる作業は困難が予想される。

(paidContent, January 29, 2013)

(庵研究員著)

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