音楽配信事業に対するフランスの補助金制度、欧州委が承認

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音楽配信事業に対するフランスの補助金制度、欧州委が承認

 欧州委員会は12日、フランス政府が打ち出した合法的な音楽配信サービスの利用促進を目的とする補助金の拠出計画を承認したと発表した。EUの国家補助規定は特定の業種や企業に対する公的支援を厳しく制限しているが、同計画では適用対象が若年層に限定されており、期間も2年間と短いことから、市場競争を著しく阻害することなく音楽の違法ダウンロードによる著作権侵害を防ぐという目標が達成され、公共の利益につながると判断した。

 「carte musique(音楽カード)」と名付けられた同スキームは、フランス国内に住む12−25歳のインターネットユーザーを対象に、合法的なウェブサイトから楽曲をダウンロードする際に使用される額面50ユーロのプリペイドカードを半額の25ユーロで販売し、差額を政府が負担するという内容。適用期間は2年間で、カードは1人当たり年間1枚しか購入することができない。政府は年間100万枚の販売を見込んでおり、その場合、2年間で総額5,000万ユーロの公的資金が投入されることになる。

 一方、同計画によって特定の事業者に利益が集中することのないよう、音楽配信サイトを運営する事業者は利用料金の値下げ、契約期間の延長、カードの販売促進に向けた広告費用の負担などが求められる。さらにcarte musiqueから得られる利益は1事業者当たり最大500万ユーロに制限される。

 欧州委のアルムニア副委員長(競争政策担当)は声明で「合法的な音楽配信サービスを通じて消費者が低価格で好きな楽曲を購入できるようにするための取り組みを歓迎する」とコメントした。

(European Commission Press Release, October 12, 2010)

(庵研究員著)

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