テレビ番組放送時間の65%が欧州作品、EU指令の規定順守

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 欧州委員会は7月25日、テレビ放送における欧州作品および欧州の独立系制作者による作品の奨励を目的とするEUルールの順守状況に関する報告書を公表した。これによると、EU25カ国における各テレビ局の放送時間で欧州作品の占める割合は2005年が平均63.52%、06年は65.05%だった。一方、全体の放送時間の中で欧州の独立系プロダクションが制作した番組の占める割合は05年が36.44%、06年は37.59%に上り、最近5年以内の作品の比率はそれぞれ25.02%、25.09%となっている。
 EUは文化的多様性を尊重する立場から、「国境なきテレビ指令」第4条で各放送局に対し、放送時間の少なくとも50%を欧州作品の放送に充てることを義務付けている。さらに独立系のコンテンツ制作者を支援するため、同第5条は放送時間の10%以上を
欧州の独立系制作者による作品の放送に充てるよう定めている。EU加盟国は国境なきテレビ指令に代わる新たな枠組みとして07年12月に採択された「視聴覚メディアサービス指令」に沿って、09年末までに国内法の制定を求められているが、2つの規定は新指令に引き継がれている。
 欧州委は2年ごとにテレビ放送に関するEUルールの順守状況をまとめており、今回の報告書には初めて新規加盟10カ国の調査データが盛り込まれた。全体の放送時間に占める欧州作品の割合を国別にみると、06年はスウェーデン(45.44%)とスロベニア(46.98%)で50%を割り込んでいるが、それ以外の国は規定を達成している。一方、欧州作品の比率が最も高いのはポーランド(81.07%)で、デンマーク(80.92%)がこれに次いだ。

(European Commission Press Release, July 25, 2008)

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