米ミュージシャン、ラジオ局に補償求めるキャンペーン

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米国で14日、100人以上のミュージシャン、レコード会社、音楽業界の団体がラジオ局に著作権使用料の支払いを求めるキャンペーンを開始した。「musicFIRST」名づけたイニシアチブにはセリーヌ・ディオン、ジェニファー・ロペス、ドン・ヘイリー、クリス
ティーナ・アギレラなどが名を連ねており、ラジオ局に実演家への補償を義務付ける新たな法律の導入を求めて今後、議会への働きかけを本格化させる。
 現行法では衛星・ケーブル・インターネットを介して楽曲が送信される際にはミュージシャンとレコード会社にも補償金が支払われるが、AMまたはFMラジオで放送される場合は作詞家と作曲家のみが録音物に対する著作権保護の対象となる。musicFIRSTは一流ミュージシャンからバックシンガーに至るまで、すべての実演家にAM/FMラジオで放送された作品に対して正当な報酬を受ける権利があると主張している。マーク・カディッシュ事務局長は、具体的な補償の額については今後検討すると説明。近く上下両院の法務委員会で聴聞会が開かれるとの見通しを示した。
 これに対し、8,000以上のラジオ局とテレビ局が加盟する全米放送事業者協会(NAB)は全面対決の姿勢を鮮明にしている。デニス・ウォートン副会長は声明で、議会は作品がラジオで放送されることによってレコード会社とアーティストが多くの利益を得ることをよく理解していると指摘。「もしもラジオ局が無料でプロモーション機会を提供していなければ、最も成功を収めたアーティストたちでさえいまだにガレージで演奏していたかもしれない」と皮肉をこめてmusicFIRSTの動きを牽制している。

 (Associated Press, June 14, 2007 他)

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