欧州委、EU共通特許制度の導入を勧告

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欧州委員会は3日、EU共通の特許制度を導入すべきだとする意見書をまとめた。
国ごとに異なる特許制度を一本化して申請や審査の手続きを簡素化し、企業のコスト負担を軽減するのが狙い。国際競争力を強化するにはEUレベルで特許制度を整備し、技術革新を促す必要があると判断した。
 欧州委によると、国ごとに特許を認める現行制度では、たとえばEU域内の13カ国で特許を取得するためのコストは米国の11倍、日本の13倍に上る。また同一の特許をめぐって複数の国で訴訟が起きるケースも想定され、コスト面の問題以外に国によって司法判断にばらつきが出る可能性もある。欧州委のマクリービー委員(域内市場担当)は「特許は技術革新を促し、競争力を強化する原動力だが、特許制度に関しては単一市場の形成が遅れている」と指摘。共通特許制度の導入に向けて早急に検討を進めるよう加盟国に呼びかけた。
 EUでは10年以上前から共通特許制度の構想が持ち上がっているが、特許の一本化に伴って膨大な翻訳コストが必要となる点や、新たに特許裁判所を創設して権限を集中させることへの強い反発から、4年前には欧州委がまとめた計画案が閣僚理事会で拒否された経緯がある。

 (European Commission Press Release, April 3, 2007)

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