オランダで実演家・レコード製作者の権利の保護期間が70年に、EU指令に沿って法改正

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オランダで実演家・レコード製作者の権利の保護期間が70年に、EU指令に沿って法改正

 オランダ議会上院は16日、実演家およびレコード製作者の著作権・著作隣接権の保護期間を現在の50年から70年に延長する法案を賛成多数で可決した。法案は9月に下院を通過しているため、国王の署名を経て成立する。

 今回の法改正は、EU閣僚理事会が2011年9月に採択した「著作権・著作隣接権の保護期間に関する新指令(2011/77/EU)」に沿ったもの。EU加盟国は新指令に基づいて2年以内に国内法を整備することが義務づけられていた。

 EUの新指令は2006年に制定された著作権・著作隣接権指令(2006/116/EC)を改正したもので、歌手や演奏家、レコード会社などに与えられる権利の保護期間を、従来の実演またはレコードやCDの発行後50年から70年に延長することを柱とする内容。多くの実演家が晩年に深刻な収入減に直面している現状を踏まえ、すでに死後70年となっている作詞家や作曲家などの著作権保護期間に近づけるのが狙いだ。

 新指令はこのほか、契約時などに実演にかかる権利をレコード会社に譲渡した実演家が新制度の恩恵を受けられるようにするため◆レコード会社にCDやレコードを販売する意思がない場合、実演家がレコード会社に譲渡した権利を回復し、自ら販売することを認める
◆実演家とレコード会社の双方に販売の意思がない場合、著作隣接権は消滅し、パブリックドメインとなる---などを規定している。オランダの新法にもこれらのルールが盛り込まれた。

(Future of Copyright, October 16, 2013 他)

(庵研究員著)

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