英TVCatchupの地上波テレビ同時送信サービス、EU司法裁が著作権侵害と認定

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英TVCatchupの地上波テレビ同時送信サービス、EU司法裁が著作権侵害と認定

 欧州連合(EU)司法裁判所は7日、地上波テレビ放送を許可なくインターネットで同時送信する行為は著作権侵害にあたり違法との判断を示した。

 今回の事案は英民放ITV、Channel 4、Channel5が2010年、地上波テレビの無料ストリーミングサービスを提供する英TVCatchupを著作権侵害で提訴し、英高等法院がEU法との整合性について司法裁に判断を求めていたもの。
高等法院は司法裁の見解に沿って判決を下すことになる。

 TVCatchupは英国で最も人気の高い動画配信サイトの1つで登録ユーザー数はおよそ1,200万人に上る。同サイトでは訴えを起こしたITVなど3社に加え、BBCやDaveなど50以上の地上波チャンネルをライブでストリーミング配信しており、ライセンス料(受信料に相当)を納めてテレビライセンス(受信許可証)を取得した英在住のユーザーは無料で番組を視聴できる。TVCatchupは広告収入を資金源としており、テレビ局側はTVCatchupが自社のコンテンツを利用して広告収入を得ている点も問題視している。

 司法裁は著作権者であるテレビ局には第3者による番組の再送信を阻止する権利があり、インターネットを介した番組配信も不特定多数の公衆に対する情報の送信に該当するため、事業者はテレビ局の許諾を得なければならないと指摘。
無断で番組を同時送信するTVCatchupのサービスはEU著作権指令に違反すると結論づけた。

 ITVなど3社は「英国の裁判所が司法裁の見解に沿った判決を下すことを期待する。当方のコンテンツを無断で使用し、著作権を侵害していると思われるサイトやサービスに対しては今後も自らの権利を主張していく」との声明を発表。
一方、TVCatchupは司法裁の判決を不服とし、引き続き高等法院でサービスの合法性を争う意向を示している。

(Reuters, March 7, 2013)

(庵研究員著)

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