英知的財産庁が著作権制度改革案を発表、3月21日まで意見公募

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英知的財産庁が著作権制度改革案を発表、3月21日まで意見公募

 英知的財産庁(IPO)は14日、デジタル時代に対応した著作権制度を確立するための改革案を発表した。政府の諮問を受けてカーディフ大学のイアン・ハーグリーブス教授が今年5月にまとめた報告書「知的財産と成長戦略の見直し(ハーグリーブス・レビュー)」の勧告に沿った内容で、フォーマット変換などを対象とする権利制限や、孤児著作物の許諾に関する提案が盛り込まれている。IPOは3月21日まで意見募集を行い、著作権制度の刷新に向けた具体策を検討する。

 IPOは改革案について「(英国経済の)成長を妨げる不必要な障害」を取り除き、「音楽、書籍、映像、その他の著作物の創造と利用を促す」新たな著作権制度を確立するのが狙いと説明。ビジネス・イノベーション・職業技能省(BIS)のウィルコックス知的財産担当相は「既存の著作権ルールを一部緩和することで、英国の優れたクリエイティブ産業を損なうことなく、経済発展を実現することができると考えている」と述べた。

 IPOが打ち出した主な提案は以下の通り:
・フォーマット変換
合法的に購入したCDの音楽をMP3プレーヤーなどにコピーするといったフォーマット変換が広く浸透している実情を踏まえ、私的使用を目的とした著作物の複製を認める著作権の例外規定を設ける。

・パロディー
パロディーにも著作権の例外規定を適用し、コメディアンなどが著作権者の許諾を得ずに作品を利用できる仕組みを導入する。

・非商業的利用
調査・研究、テキストおよびデータ分析、図書保管などを支援するための著作物の非商業的利用に関する例外規定を拡大し、研究者が著作権者の許諾を得ずに医学・科学分野の最新データにアクセスできるようにする。

・孤児著作物
孤児著作物の許諾・権利処理システムを確立し、権利者が不明なため許諾が得られないまま図書館などに放置されている著作物を円滑に利用できるようにする。

・拡大集中管理制度
当局の認可を受けた著作権管理団体が一括して利用許諾を行う拡大集中管理制度を導入し、著作物の権利処理にかかる手続きの効率化を図る。ただし、著作権者は同スキームへの不参加を選択することができる。
なお、BISは11月、ハーグリーブス・レビューで提言された施策の1つである「デジタル著作権取引所(DCE)」の創設に向け、通信・メディア監督機関Ofcomの元副会長リチャード・フーパー氏を作業部会の責任者に任命。同部会を中心にDCE構想の実現可能性について調査を行い、来夏までに基本設計をまとめる方針を打ち出している。

(IPO Press Release, December 14, 2011)

(庵研究員著)

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