英でプロダクトプレースメント解禁へ、Ofcomが運用ルールを発表

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英でプロダクトプレースメント解禁へ、Ofcomが運用ルールを発表

 英国の通信・メディア監督機関Ofcomは6月28日、テレビ番組に特定の商品やサービスを登場させるプロダクトプレースメントの解禁に向け、放送事業者や広告主が守るべきルールを定めた規制案を発表した。9月末まで意見募集を行い、各方面からの反応を踏まえて2011年の運用開始を目指す。

 EUは1989年に制定した「国境のないテレビ指令」でプロダクトプレースメントを禁止していたが、急速に進むメディアの多様化やデジタルビデオレコーダ(DVR)の普及に伴う広告スキップなどを背景にテレビ局の広告収入が大幅に落ち込んでいる現状を踏まえ、2007年11月に採択した「視聴覚メディアサービス指令」で広告規制を緩和。番組の冒頭にプレースメント広告が入る旨のメッセージを流すことを条件にニュースや子供向けの番組などを除いてプロダクトプレースメントを認めるルールを導入した。これを受けて英国では前政権が今年4月にプロダクトプレースメントを解禁する法案を閣議決定し、Ofcomが具体的な運用ルールの策定を進めていた。

 Ofcom案によると、プレースメント広告が入る場合は番組の最初と最後にプロダクトプレースメントを意味する「PP」といったマークを表示することが義務付けられる。ニュースや時事問題を扱う番組、子供向けの番組、BBCの全番組については引き続きプロダクトプレースメントが禁止され、ギャンブル、たばこ、アルコール、ベビーミルク、医薬品、脂肪分・塩分・糖分の含有率が高い食品を番組に登場させることはできない。

 さらに番組内に政治や宗教に関連したプロモーションを盛り込むことが禁止されるほか、ドラマなどを特定の広告主の利益につながる筋書きにすることも制限される。たとえば保険会社が広告料金を支払う見返りとして、保険に加入していない一家が事故に見舞われて苦境に立たされるといった内容のドラマを放映することはできない。Ofcomは調査報道、科学番組、アートドキュメンタリーなどについてもプロダクトプレースメントを禁止すべきかどうか、さらに検討を進める方針を示している。

(The Financial Times, June 28, 2010 他)

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