英でも「ネット切断」導入の動き、月内に法案発表へ

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英でも「ネット切断」導入の動き、月内に法案発表へ

 英国のマンデルソン民間企業担当相は10月28日、違法ダウンロードを繰り返す悪質なユーザーに対するネット接続の切断などを盛り込んだ規制案の内容を明らかにした。ビジネス・イノベーション・技能省(DBIS)が11月中にまとめる情報通信技術(ICT)分野の振興を目的とした新たな法案に違法ダウンロード対策を盛り込む。

 英政府は今年6月にまとめたICT分野の戦略ビジョンに関する報告書「デジタル・ブリテン」の中で、ネット接続を切断することが必ずしも違法ダウンロードを防止する有効策とはいえないとの立場を示していた。しかし、DBISはその後、産業界などとの協議を通じ、報告書が提唱する通信速度の制限などでは対策が不十分とし、より厳格なルールの導入に向けて具体策を検討していた。

 DBISの構想によると、新規制の導入から1年間はインターネット接続業者(ISP)が違法ダウンロードを行ったユーザーに警告書を送ると共に、レコード会社などが悪質なユーザーに対して訴えを起こすことができるよう、求めに応じて必要な情報を提供する。DBISはこの間に警告の効果を見極め、規制の導入前に比べて違法ダウンロードが30%以下まで減らなかった場合、2回の警告を受けた後に違法行為を繰り返したユーザーのネット接続を切断するなど、「技術的措置」に踏み切る。DBISは2010年4月の新ルール導入を見込んでいる。

 マンデルソン大臣はコンテンツ産業の育成をテーマとした会合で演説し、「ネット上で無責任な著作権侵害が横行する時代は終わったということを明確に示す必要がある」と強調。そのうえで、ネット切断という技術的措置はあくまでも「最終手段」であり、多くのユーザーがインターネットを利用できない状況に陥ることはないとの考えを示した。

(The Times, October 29, 2009 他)

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