仏憲法評議会が違法ダウンロード規制法の修正案を承認、来年1月施行へ

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仏憲法評議会が違法ダウンロード規制法の修正案を承認、来年1月施行へ

 フランスの憲法審査機関である憲法評議会は10月22日、インターネット上の著作権侵害を取り締まるための規制法「創造とインターネット(Creation et Internet)」の修正案を承認した。来年1月から違法ダウンロードの常習者に対し、インターネット接続の切断を含む厳しい措置を講じることを盛り込んだ対策法(いわゆる「スリーストライク法」)が施行される。

 違法ダウンロード規制法は映画・音楽業界の要請を受けたサルコジ大統領の主導で制定作業が進められてきた。法案は当初、違法ダウンロードを繰り返すユーザーに対してインターネット接続業者(ISP)がメールと書面で警告を行い、3回目に違反行為が発覚した時点で新たに設置する行政機関「HADOPI」がISPにアカウントのはく奪を命じることができるという内容だった。

 法案は今年5月に上下両院で可決されたが、憲法評議会は6月、行政機関の権限でネット接続を切断できるとした条項は憲法に違反するとの判断を示した。
評議会は現代社会において、インターネットへのアクセスは「フランス人権宣言が基本的人権の1つと定める表現の自由に含まれる」と表明。そのうえで、裁判所ではなく、行政機関にネット切断の判断権限が与えられる点について、同じく人権宣言が定める「推定無罪の原則に反する」と指摘し、法改正が必要と結論づけた。

 修正案によると、裁判所は違法ダウンロードを3回繰り返したユーザーに対し、最大1年間のネット切断または罰金の支払いを命じることができる。ネット接続を遮断されやユーザーはこの間、他のISPと新たに契約を結ぶこともできない。さらにユーザーへの監視義務を怠り、違法ダウンロードを阻止できなかった事業者に対しては、罰金や業務停止が命じられる可能性もある。

(AFP, October 23, 2009 他)

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