仏議会が違法ダウンロード対策法案可決、違反3回でアクセス遮断

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仏議会が違法ダウンロード対策法案可決、違反3回でアクセス遮断

 仏上院は13日、インターネット上の著作権侵害を取り締まるための法案を賛成多数で可決した。違法ダウンロードの常習者に対し、インターネット接続業者(ISP)がアカウントをはく奪してネット接続を遮断するという厳しい措置を盛り込んだ内容で、サルコジ大統領が導入を推進している。法案は前日に下院でも可決されており、大統領の署名を経て成立する。ただ、人権擁護団体などはプライバシー侵害への懸念から法案に反対しており、野党・社会党からは憲法評議会に合憲性について判断を求める動きも出ている。
 「創造とインターネット(Creation et Internet)」と名付けられた同法案によると、

ISPはサービス加入者のオンライン行動を監視し、音楽や映像などのファイルを違法にダウンロードしたユーザーに関する情報を新たに設置される監督機関に報告。同機関が悪質と判断したユーザーに対し、ISPが最初は電子メール、2回目は書簡で警告を行い、3回目に違反行為が確認された時点でアカウントをはく奪する仕組みだ。該当するユーザーは最大1年間にわたってインターネットへのアクセスを遮断され、この間は他のプロバイダーと新たに契約を結ぶこともできない。3回目の違反で罰則が適用されることから「三振(スリーストライク)法」

とも呼ばれる。
 音楽業界や映画業界は法案を支持しているが、野党や人権擁護団体などは新ルールが憲法やEU法のプライバシー保護規定に抵触すると批判を強めている。
通信事業者の団体もISPにとって負担が大きく、違反ユーザーへの罰則も重すぎるとの見解を示している。下院では当初、アクセス遮断に反対する声が強く、法案は4月の採決でいったん否決されていた。

(Bloomberg, May13, 2009)

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