WIPO視聴覚的実演条約が成立へ、北京で外交会議が開幕

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WIPO視聴覚的実演条約が成立へ、北京で外交会議が開幕

 世界知的所有権機関(WIPO)の視聴覚的実演の保護に関する外交会議が6月20日−26日に北京で開催され、「視聴覚的実演条約」の採択に向けた協議が行われる。俳優など視聴覚的実演家の権利保護を目的とする同条約をめぐっては、実演家から製作者への権利移転に関する条文について12年前から議論が続いていたが、条約交渉の最終段階にあたる今回の会議でようやく成立する見通しだ。

 視聴覚的実演条約は1996年に採択された「実演及びレコードに関する世界知的所有権機関条約(WPPT)」が音の実演を対象とし、視聴覚的実演の保護が含まれていなかったことから、WPPTを補完する条約として2000年に草案が策定された。同年12月にはスイスのジュネーブで外交会議が開催され、20の条文のう ち19の条文について暫定合意に達したものの、権利の移転に関する条項について米国とEUの対立で議論が平行線をたどり、最終的に条約の採択が見送られた。その後、著作権及び著作隣接権に関する常設委員会(SCCR)およびWIPO総会で検討が重ねられ、昨年6月のSCCRで加盟国の合意が成立。9月のWIPO総会で外交会議の開催が決定した。

(WIPO Press Release, June 15, 2012)

(庵研究員著)

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