英BBCのオンデマンド配信「iPlayer」、2011年からグローバル展開へ

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英BBCのオンデマンド配信「iPlayer」、2011年からグローバル展開へ

 英国放送協会(BBC)はこのほど、2011年から放送後7日以内のラジオとテレビ番組をオンデマンド配信する「iPlayer」サービスを世界規模で展開する方針を明らかにした。海外からのアクセスは現在のところラジオ番組に限られているが、今後は英国内と同様にテレビ番組も視聴できるようになる。

 BBCがiPlayerのグローバル展開に踏み切る背景には、英政府が先に、向こう6年間にわたりテレビライセンス料(受信料に相当)の値上げを凍結(実質ベース)する方針を決定したことがある。2010年度のライセンス料は1世帯当たり年間145.50ポンドで、ライセンス料収入は年間約34億ポンドに上る。視聴者から強制的に徴収したライセンス料がもっぱらBBCに投入される現行システムへの批判が高まるなか、BBCは高視聴率のテレビ番組やクリケットをはじめとする人気スポーツの中継などを海外に「輸出」して新たな収入源を確保したいと考えている。

 iPlayerの海外展開が2011年のいつ頃スタートするかは現在のところ未定。また、加入者向けの有料サービスにするか、広告収入を運転資金とするかなど、具体的なビジネスモデルについても検討を進めている段階という。

 BBCの海外事業を統括するBBCワールドワイドのジョン・スミス最高経営責任者(CEO)は英有力紙テレグラフへの投稿記事で「英国の番組を海外に紹介する余地は十分にあり、ウェブがその扉を開くと考えている。iPlayerのグローバル展開を通じ、BBCのみならず英国の放送業界全体のために新たな収入源を確保することができると確信している」と説明している。

(The New York Times, November 23, 2010)

(庵研究員著)


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