新聞見出しは著作権の保護対象外、無断ネット配信めぐり豪で判決

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新聞見出しは著作権の保護対象外、無断ネット配信めぐり豪で判決

オーストラリア連邦裁判所は7日、新聞記事の見出しは著作権の保護対象にはならず、記事の見出しをインターネット上で配信する行為は著作権侵害にはあたらないとする判決を下した。
 同事案は有力経済紙「オーストラリアン・ファイナンシャル・レビュー(AFR)」の発行元であるフェアファックス・メディアが、出版大手リード・エルスビア傘下のLexisNexisを訴えていたもの。フェアファックス側はLexisNexisが運用する「ABIX」を問題視し、AFR紙を含む複数ソースの記事の見出しと要約を無断で配信する同サービスによって著作権が侵害されたと主張。LexisNexisに対してAFR紙の見出しの使用差し止めを求めていた。
 裁判所は判決で、記事内容を簡潔に伝えるための見出しは表現形式に制約があり、一般に極めて短く、表現が平凡であるため、それ自体に創作性を認めることは極めて難しいと指摘。さらにニュース記事の見出しや要約のネット配信は著作物の公正利用(フェアユース)にあたるとするLexisNexisの主張を認め、フェアファックス側の訴えを退けた。
 AFR紙のマイケル・ギル最高経営責任者(CEO)は判決を受け、「新聞業界全体を失望させる判決だ」との声明を発表。ただちに控訴を検討する意向を表明した。
(OUT-LAW News, September 17, 2010)

(庵研究員著)

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