米著作権局がDMCA適用除外の範囲拡大、携帯電話のプロテクト解除など6項目

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米著作権局がDMCA適用除外の範囲拡大、携帯電話のプロテクト解除など6項目

 米著作権局は7月26日、デジタルミレニアム著作権法(DMCA)が禁止する著作権保護のための技術的措置の回避に関する規定の適用除外項目を発表した。携帯電話のプロテクトを解除する「脱獄(Jailbreak)」と呼ばれる行為や教育目的でのDVDのコピー防止機能の解除など、新たに6つの行為が迂回禁止の適用対象外となる。

 2000年に施行されたDMCAをめぐっては、著作権者に対する手厚い保護がユーザーのフェアユースや教育目的などのコンテンツ利用を妨げるといった批判が根強く、こうした懸念に対応するため、一定の条件の下で技術的保護手段の回避を認める例外規定が別途設けられている。著作権局は3年ごとに同規定の見直しを行っており、今回の改定では米アップルのiPhoneをはじめとするスマートフォンのプロテクト解除が最大の焦点となっていた。

 まず携帯電話のプロテクト解除に関しては、ユーザーが合法的に入手したソフトウェアアプリケーションを稼働させることができない場合、DMCAの適用除外として携帯電話の機能を変更するコンピュータプログラムを実行することが認められる。また、携帯電話を予め決められた通信ネットワークとは異なるネットワークに接続するためのコンピュータプログラムを実行する行為も迂回禁止規定の適用除外となる。たとえば米国では現在、AT&TがiPhoneの独占的キャリアとなっているが、今回の決定により、他のキャリアに乗り換えるためのプロテクト解除が可能になる。

 一方、合法的に作成または入手されたDVDに関しては、批評や教育目的、ドキュメンタリーや非売品ビデオの作成など正当な利用とみなされる範囲に限り、コピーガードを無効化して一部を複製する行為が合法とされる。

 このほか
◆電子書籍として流通する文字作品について、音声読み上げ機能やスクリーンリーダーによるフォーマット変換を妨げるアクセスコントロールの解除
◆セキュリティ研究を目的とするビデオゲームの著作権管理技術の無効化
◆製造中止になるなどすでに機能していない旧式のドングル(ハードウェアによるコピープロテクトを実現する装置)で保護されたソフトウェアについて、ドングルの機能を無効にするためのプログラム改変
― がDMCAの適用除外に指定された。

(U.S. Copyright Office Press Release, July 26, 2010 他)

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