英サッカーリーグ日程は「独創的データベース」、高等法院が著作権侵害を認定

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英サッカーリーグ日程は「独創的データベース」、高等法院が著作権侵害を認定

 英高等法院は4月23日、サッカーのリーグ戦日程表は独創的なデータベースとして著作権法で保護されるとの判決を下した。同事案はイングランド・プレミアリーグとスコットランド・プレミアリーグがリーグ戦の日程表を無断で利用しているのは著作権侵害にあたると主張し、インターネット検索サイトYahoo!の英国法人や大手ブックメーカーBrittens Poolsなどを提訴していたもの。今後、新聞・雑誌をはじめとする各種メディアやブックメーカーなどが両リーグの日程表を利用する際、権利者(データベースの製作者)から著作権使用料の支払いを求められる可能性がある。

 英国では創作性のないデータベースを著作権とは別の「独自の権利」(sui generis right)によって保護することとした1996年のEU指令に基づき、98年に著作権法を改正して新たに「データベース権」が創設された。これによると、データベースのうち創作性のあるものは従来通り著作権法による保護対象となるが、創作性のないデータベースについても内容の選択や配列などにおいて「独創性」が認められ、データの収集・整理・提供の過程で「相当の投資がなされた場合」はデータベース権による保護が受けられるとしている。

 高等法院は判決で、両リーグはテレビの放送スケジュールや国際試合などさまざまな条件があるなか、複雑な調整を経て日程が組まれており、編成作業は「多大な労力とスキルを要する」と指摘。日程表は「内容の選択や整理を通じて著作者の知的な創作を構成するデータベース」によって成り立っており、著作権法で保護されると結論づけた。

(Out-Law News, April 30, 2010 他)

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