国際特許出願件数、09年は4.5%減、日・韓・中が健闘

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国際特許出願件数、09年は4.5%減、日・韓・中が健闘

 世界知的所有権機関(WIPO)は8日、特許協力条約(PCT)に基づく2009年の国際特許出願状況を発表した。世界全体の出願件数は前年比4.5%減の15万5,900件にとどまり、1978年の制度発足以来、初めて前年の水準を下回った。経済危機の影響で、欧米を中心に企業が研究開発(R&D)への投資を縮小したり、費用のかかる特許出願を控えた実態が浮き彫りになった。

 国別出願件数は米国が4万5,790件で首位を維持したものの、前年比11.4%減と大幅に落ち込んだほか、3位のドイツや7位の英国など欧米の先進国が軒並みマイナスに転じた。一方、日本は前年比3.6%増の2万9,827件、韓国も2.1%増の8,066件でそれぞれ2位と4位を堅持。中国は7,946件と前年比29.7%増を記録し、フランスを抜いて5位に浮上した。

 企業別の出願件数はパナソニックが前年を162件上回る1,891件と2年ぶりに首位を奪還。前年1位の中国の大手通信機器メーカー、華為技術は前年比110件増の1,847件で2位となった。日本企業はNECが前年の12位から8位に、シャープも13位から10位に順位を上げ、9位のトヨタ自動車(前年4位)を含めて4社がトップ10入りを果たした。

 WIPOのガリ事務局長は、世界的な経済危機の影響で欧米先進国を中心にR&D活動を抑制する動きが広がり、これが国際特許出願件数の減少につながったと指摘。そのうえで東アジア勢の躍進に触れ、日本、韓国、中国は経済状況にかかわらず、長期的視野に立って技術開発に取り組んでいると評価した。

(WIPO Press Release, February 8, 2010)

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