中国の知財保護は「不十分」、WTOパネルが米の主張認める裁定

海外ニュース

 知的財産権の保護をめぐる中国政府の対応が不十分だとして米国が2007年に世界貿易機関(WTO)に提訴していた問題で、WTOは1月26日、米側の主張を大筋で認める紛争処理小委員会(パネル)の最終報告を公表した。知財権侵害で押収された商品が再び市場に出回る事態を当局が容認した点などについて、WTO協定違反と認定した。
 一方、偽造品などを扱う違反業者に対する刑事手続きに関しては、制裁が軽すぎるとする米側の主張は認められなかった。パネル報告は「米国は刑事訴追に関する中国の基準が著作権・商標権侵害に対する刑事手続きの保証を規定したTRIPS協定第61条に違反するとの主張について、十分な根拠を示していない」と指摘している。
 パネル裁定に対し、米通商代表部(USTR)のオルガイア代表代行は「重要な勝利」とコメント。一方、中国商務省は「関税政策と著作権法についてWTOの支持を得られなかったことは遺憾」との声明を発表し、上級委員会への上訴を含めて今後の対応を検討する方針を示している。
 米側は中国製の偽造品によって国内の音楽、映画、書籍、ソフトウェア産業は年間におよそ37億ドルの損害を受けていると主張している。

(IP World, January 29, 2009 )

コメントを投稿する




*

※コメントは管理者による承認後に掲載されます。

トラックバック