模造品のネット競売訴訟でティファニー敗訴、イーベイへの要求却下

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 米ネット競売最大手イーベイのサイト上で偽ブランド品が取引されているとして、米高級宝飾店ティファニーがイーベイを訴えた裁判で、ニューヨーク連邦地裁は14日、イーベイ側は模造品の販売を阻止するために適切な対策を講じ、法的義務を果たしていたとして訴えを退ける判決を言い渡した。
 ティファニーは同社製シルバーアクセサリーの模造品が出品されていることを知りながら、イーベイは事態を放置し、それによって多大な損害を受けたと主張。イーベイに対し、予防措置としてティファニーが疑いを持つ販売業者の出品を阻止することや、損害賠償を求めていた。これに対しイーベイ側は、多額の資金と人的資源を投じて模造品対策を強化しており、偽ブランド品が販売されているとの通報を受けた場合、90%のケースで4時間以内に出品リストから削除していると反論。裁判所は商標権の保有者にブランドを監視し保護する責任があると指摘し、イーベイは必要な対策を講じているとしてティファニーの要求をすべて却下した。
 イーベイはサイト上での模造品販売をめぐり複数の高級ブランドと係争中。モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)などが提訴した事案では、パリ商事裁判所が6月末、イーベイに対し総額4,000万ユーロの損害賠償を命じている。偽ブランド品の販売者だけでなく、取引を容認したサイト運営者の責任を認めた判決として注目されたが、今回はイーベイ側の主張が全面的に支持された。

(Reuters, July 14, 2008)

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