WIPO開発・知財委員会(CDIP)が正式発足、開発アジェンダが前進

海外ニュース

 2007年10月の世界知的所有権機関(WIPO)総会で設立が承認された途上国の開発問題を扱う常設委員会「開発と知的財産に関する委員会(CDIP)」が正式に発足し、第1回会合が3月3−7日にジュネーブで開催された。会合には100のWIPO加盟国、7つの政府間組織、30の非政府組織が参加し、過去4年にわたる開発アジェンダの議論で合意された45項目の具体的提案のうち5項目について実行に向けた議論が行われた。
 開発アジェンダは2004年のWIPO総会でブラジルなど14カ国が提案した、途上国の経済発展を重視しながら知的財産権保護を推進するための行動計画を策定する取り組み。「開発アジェンダ関連提案に関する暫定委員会(PCDA)」などでの協議を
経て45項目の具体策が合意され、昨年のWIPO総会で直ちに実施が可能な19項目が採択された。
 今回の会合ではこのうち 1.後発開発途上国(LDC)に対する資金援助を拡大し、途上国による知的財産の有効活用を支援する 2.途上国への技術支援に関する詳細情報をWIPOのウェブサイトで公開する 3.WIPOの技術支援プログラムを拡充し、各国における知財当局の基盤整備を支援する  ― など5項目について実行に向けた具体策が協議された。WIPO事務局は資金および人材面からCDIPがまとめたこれら5項目の実施計画について検討を行い、7月の第2回会合までに必要な修正を加える。

(WIPO Press Release, March 10, 2008 他)

コメントを投稿する




*

※コメントは管理者による承認後に掲載されます。

トラックバック