音楽CDの私的複製を合法化、英政府が著作権法改正案を発表

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 英政府は8日、私的使用目的での音楽CDの複製を認める著作権法の改正案を発表した。現行法はたとえ私的使用の目的でも研究や報道などの例外を除いて音楽CDの複製を禁止しているが、法改正が実現すればCDからパソコンに楽曲をリッピングし、iPodなどのMP3プレーヤーに転送するといった行為は合法となる。4月8日まで各方面から改正案に対するコメントを受け付ける。
知的財産担当閣外相のトリースマン卿は「デジタル化が進む中で、著作権管理システムも時代の流れに対応していかなければならない」と指摘。著作権の保護強化とコンテンツ利用に関するユーザーの権利の適正なバランスを探ることが法改正の狙いと説明している。
改正案によると、音楽CDの複製が認められるのは私的使用目的に限られ、複数回のコピーやネット上での音楽ファイルの共有・交換は引き続き禁止される。またコピーを作成した後にオリジナルのCDを売却したり第3者に贈ることも禁止される。
レコード会社の業界団体BPIは、法改正によってユーザーの法的権利が明確になる点については支持を表明したうえで、いかなる変化もレコード会社の権利を損ねるものであってはならないと強調。一方、独立系音楽会社が加盟するAIMは、CDが時代遅れになった場合、私的複製を認める規定が悪用されて無制限のコピーを容認することになりかねないと警告し、複製に対する補償金制度を導入するよう求めている。

(The Independent, January 8, 2008)

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