スターリン像は芸術作品?(リトアニアのテーマパークで著作権論争)

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旧ソ連時代に制作されたレーニンやスターリンの像は芸術作品として著作権保護の対象となり得るか――「スターリン・ワールド」と呼ばれるリトアニアのテーマパークでこんな論争が起きている。
 2001年にオープンしたこのテーマパーク「Grutas Park」には、ソ連崩壊に伴いリトアニアや近隣諸国で撤去された多数のレーニンやスターリンの像などが展示されているが、リトアニア著作権保護協会がこれらの像の制作に携わった7人の彫刻家の権利を代表して、テーマパークのオーナーに対し入場料収入の6%を支払うよう求めている。協会は展示物だけでなく、園内で毎日流される旧ソ連国歌も著作権保護の対象となり、著作権使用料の支払い義務が生じると主張している。
 これに対し、およそ200万ドルを投じてテーマパークを建設したリトアニアの富豪ViliumasMalinauskas氏は、圧政下で一般市民を恐怖に陥れたスターリン像などはとうてい芸術作品とは認められず、支配勢力の委託で半強制的に制作された作品は著作権保護の対象にならないと反論。「ロシアやその他の旧ソ連圏の国から集めた作品も展示しているが、著作権使用料を要求してくる国など他にはない」と強調している。著作権保護協会の要求に対抗するため、テーマパークでは現在、園内放送が全面的に中止され、7人が制作に関わった作品はすべて黒いビニール袋で覆われている。

 (Associated Press, February 14, 2007)

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