Lancomeの類似品に商標権侵害の判決、英高等法院が判断基準示す

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香水の有力ブランドLancomeが展開する製品の類似品を製造・販売するメーカー7社に対し、Lancomeの親会社L'Orealが商標権侵害にあたるとして提訴していた問題で、英高等法院はこのほど、Lancomeの訴えを認める判決を下した。英国内で名声を得ている登録商標と同一または類似した商標を正当な理由なく使用し、当該商標の識別性や名声を不正に利用する行為は商標権侵害にあたると規定した商標法第10条3項に該当すると判断した。L'Orealの弁護団によると、同条項を根拠に原告側が勝訴したケースは今回が初めてという。問題となっていたのは、露天やディスカウントショップなどで「La Valeur」や「Pink Wonder」といったブランド名で販売されていた、Lancomeの「Tresor」や「Miracle」などに香りやパッケージが酷似した香水。10条3項の解釈をめぐり、これまで法律家の間では、類似品が消費者に混乱を与え、それによって商標権者が受けた損害の程度を原告側で具体的に証明する必要があると考えられてきた。
高等法院は今回、同条項に基づく商標権侵害と認定するための判断基準として
◆類似性は意図的なものか
◆オリジナル製品は活発に宣伝されているか
◆パッケージの類似性が販売価格を高く設定できる要因になっているか
◆類似品がオリジナルの広告やプロモーションの恩恵を受けているか
◆消費者はオリジナルの知名度で類似品を購入しているか
――の5つのポイントを挙げている。

(Managing Intellectual Property, October 6, 2006)

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