オランダで「香り」に著作権認める判決、独創性を認定

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オランダの最高裁判所は6月16日、地場系の香水メーカーKecofaがLancomeの女性用香水「Tresor」の香りを盗作し、著作権を侵害したとする控訴裁判所の判断を支持する判決を言い渡した。Kecofaは控訴審の判決を不服として上訴していたが、最高裁はTresorには他の商品と明確に識別できる独創性があり、著作権による保護の対象として認められるとしたうえで、Kecofaの「Female Treasure」は香りを形成する26の要素のうち24の要素がTresorと一致しており、Kecofaが独自にTresorに酷似した香りを創作することは限りなく不可能に近いと指摘。KecofaがLancomeの香りを模倣して同社の知的財産権を侵害したと結論づけた。2004年6月の控訴審判決は、香水の配合は著作権による保護の対象となるものの、香りそのものはさまざまな条件によって変化するため著作物としては認められないとの見解を示していた。最高裁は今回、この点を明確にしておらず、香りそのものに著作権を認めた判決と解釈できる。このため専門家からは、今後は香水以外の製品についても著作権による保護を求める動きが広がるとの見方が出ている。

(Managing Intellectual Property, June 20, 2006)

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