アマゾンの新サービス「キンドル・マッチブック」、購入書籍の電子版を低価格で提供

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アマゾンの新サービス「キンドル・マッチブック」、購入書籍の電子版を低価格で提供

 米アマゾンは3日、電子書籍プラットフォーム「キンドル」向けの新サービス「キンドル・マッチブック(Kindle MatchBook)」を発表した。Amazon.comで紙版の書籍を購入すると、同一タイトルの電子書籍を2.99ドル以下でダウンロードできるという内容。アマゾンが書籍のオンライン販売を開始した1995年以降に購入された書籍のうち、出版社や著者がマッチブックのリストに登録したタイトルに適用され、当面はおよそ1万タイトルが対象になる見通し。10月から米国でサービスが開始される。
 
 アマゾンは今年1月、Amazon.comで音楽CDを購入すると、同じ楽曲のMP3ファイルを無料でダウンロードできるサービス「オートリップ(AutoRip)」を米国で開始した。マッチブックはオートリップの「書籍版」にあたるもので、書籍についても音楽CDと同様のサービスを求めるユーザーの声に応えたかたちだ。ただし、キンドル・マッチブックでは出版社やタイトルごとに電子版の料金が異なり、無料/0.99ドル/1.99ドル/2.99ドルの4段階に設定されている。アマゾンは販売価格に応じて著作権使用料を支払うことになっており、金額は小さいながら出版社や著者は過去に購入された書籍から新たな収入を得ることになる。
 
 アマゾンによると、キンドル・マッチブックのラインナップにはマイケル・クライトン、レイ・ブラッドベリ、ジョディ・ピコー、 ニール・ゲイマン、ウォーリー・ラムなど人気作家の作品が多数含まれている。ダウンロードした書籍は通常の電子書籍と同様、パソコン、スマートフォン、タブレット端末で閲覧できる。アマゾンはサービス開始までに、個々のユーザーが書籍の購入履歴をみて、どの作品が新サービスに対応しているか簡単に確認できる仕組みすると説明している。

 キンドル向けコンテンツ事業を統括するアマゾンのラス・グランディネッティ副社長は米紙ニューヨーク・タイムズとのインタビューで、「実に多くのキンドルユーザーから、アマゾンで購入した書籍の電子版を安価で提供して欲しいとの声が寄せられていた」と説明。今後はより多くの出版社にキンドル・マッチブックのプログラムに参加してもらい、対象となるタイトルを増やしていきたいと語っている。

(paidContent, 2013/09/03 他)

(庵研究員著)

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