ハリポタ事典は「著作権侵害」、米連邦地裁が出版差し止め

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 米ニューヨーク連邦地裁は8日、ベストセラー小説「ハリー・ポッター」シリーズのガイド本として作成された事典の出版差し止めを命じる判決を言い渡した。原作者のJ.K. ローリング氏と同シリーズの映画を手掛ける米ワーナー・ブラザースが昨年末、著作権侵害にあたるとして事典の出版差し止めと損害賠償を求めて出版元のRDRブックスを提訴していた。
 問題の事典「ハリー・ポッター・レキシコン」は、ミシガン州の教員スティーブン・ヴァンダー・アーク氏がサイト上でシリーズに登場するキャラクターやストリー、用語などを詳しく解説した内容をRDRブックスが書籍にまとめたもので、昨年11月に発売が予定されていた。
 RDRブックス側は、事典はファンが原作や映画について正しく理解するための手引書であり、公正な利用であれば権利者の許可がなくても作品を使える「フェアユース」に該当す
ると主張していた。しかし、連邦地裁は「事典には原作の表現を直接引用した箇所や、類似した言い換えが非常に多くみられ」、出版を認めた場合、原作者に「修復不能な損害が及ぶ」と指摘。原告側の主張を認めて著作権侵害を認定し、RDRブックスに事典の出版差し止めと6,750ドルの賠償支払いを命じた。

(Managing Intellectual Property, September 8, 2008)

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