LAIT NEWS

No.225:バックナンバー

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■LAIT News【Vol.225 2013/8/20号】

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1.LAIT活動報告
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LAITセミナーについてお知らせします。

■■最新の活動報告■■
「パブリシティの権利の法社会学的考察」は好評のうちに終了いたしました。
たくさんの方にご来場いただき誠にありがとうございました。

■■10月の活動予定■■

演題: 「議論のある文化政策・ベルリンにできるフンボルトフォーラム」
講師: アンネ・ベルクマン氏
ベルリン自由大学歴史人文学部准教授・IT企業法務研究所研究員
    (日欧の文化政策研究を専門とし、歌舞伎、浮世絵研究の第一人者)
概要: ドイツ首都ベルリンの中心部に並ぶベルリン大聖堂や世界遺産の
「博物館島」に、「ドイツにとって21世紀の最重要な文化プロジェクト」、
プロシア大国国王のベルリン王宮の再建が実践に向かっています。
 「フンボルト・フォーラム」と名づけたこの新しい文化施設に現在中心部
からは離れた西ベルリンのダレム市区にある美術館の収集、それに
フンボルト大学の施設とベルリン州立図書館も入る予定です。
     今年の6月に着工式が行われ,とうとうこの長年幻の大工事が具体化
されるようです。提案から着工まで23年間かかった莫大な税金を嚥下する
このドイツ政府とベルリン市のプレステイージプロジェクトに対する議論が
様々です。外観がバロック式の王宮がグローバル化が進んでいる現代
社会に相応しい施設であるかから展示のコンセプトと膨大なコストを批判
する声まであります。
 文化政策が市民の意見をどこまで重視できるかも問われています。この
ような 議論のある文化政策の結晶について発表します。
日時: 平成25年10月3日(木)午後2時00分〜午後4時00分
場所: 蚕糸会館6階 第一会議室
千代田区有楽町一丁目9番4号
    (JR有楽町駅 徒歩2分、東京メトロ日比谷線・千代田線・都営三田線
日比谷駅 徒歩2分)
参加費: 2,000円(税込)
申込: http://www.lait.jp/laitseminar.php?itemid=898

[補] 参加費は通常3,000円ですが、今回は2,000円に値下げしていますので、
   奮ってご参加くださるようお願いいたします。

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2.海外の注目ニュース
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海外の注目の最新ニュースをお知らせします。

■■米コムキャストが新たな著作権侵害防止システムを考案、
違法ダウンロードをコンテンツ販売のプラットフォームに■■
●米ケーブルテレビ最大手コムキャストはインターネット上における著作権侵害
対策の一環として、違法ダウンロードを合法的なコンテンツ取引のプラットフォーム
に転換するシステムを開発し、国内の大手映画会社、テレビ局、インターネット
接続業者(ISP)との間で導入に向けた話し合いを行っているもようだ。
 エンターテイメント専門の業界誌『バラエティ』によると、コムキャストが考
案した
システムは、ネットユーザーがピア・ツー・ピア(P2P)ネットワークを介して
著作権
保護された映画やテレビ番組を不正にダウンロードしようとすると、その場で
著作権侵害行為である旨の警告文と共に、問題のコンテンツを合法的に購入
またはレンタルできるサイトへのリンクがポップアップ表示される仕組み。違法
ダウンロードを法的に取り締まるのではなく、合法的なコンテンツ利用を促すことで
事業者側の収益拡大につなげる狙いがある。コムキャストは一部の加入者を
対象に限られたコンテンツでトライアルを実施する方針だが、具体的な実施時期
は決まっていないという。コムキャストの広報担当者はバラエティ誌の取材に
対してコメントを控えている。
 米国では音楽・映画・テレビ業界の主要プレイヤーと大手ISPの合意に基づく
自主的な取り組みとして、今年2月にネットユーザーによる不正なコンテンツ使用を
警告する「著作権侵害警告システム(Copyright Alert System=CAS)」が正式に
導入された。これはP2Pネットワークで違法コンテンツをダウンロードしたユーザー
に対し、コンテンツオーナーの通知を基にISPが最大6回の警告を行い、改善が
みられない場合はネットの通信速度を落としたり、利用できるサービスを制限する
という内容。警告が最大6回であることから同システムは「6ストライク制
(Six Strikes)」とも呼ばれる。
 コムキャストはAT&T、ベライゾン、ケーブルビジョン、タイム・ワーナー・
ケーブル(TWC)などと同様、CASの制度設計や運用を担う著作権情報センター
(Center
for Copyright Information=CCI)の中核メンバーとしてプログラムに参加している
が、コンテンツオーナーの間ではスキームの実効性を疑問視する声が出ている。
実際のところ、フランスでは3年前に違法ダウンロードを行っているネット
ユーザーに対して当局が警告を発し、3回目の警告で罰金命令とネット接続の
断絶という厳しい措置を講じる「スリーストライク制」が導入され、「Hadopi」と
呼ばれる公的機関が執行にあたっていたが、ネット遮断は基本的人権の侵害に
あたるといった反発が根強く、政府は現行制度の大幅な見直しを余儀なくされた。
 こうしたなか、ISPであると同時にコンテンツオーナーでもあるコムキャストは
「CASを補完するシステム」として、違法コンテンツをダウンロードしようとする
ユーザーに対し、リアルタイムで著作権侵害の警告と合法的なコンテンツ入手
ルートへの誘導を行うアプローチを考案した。ただ、実際に同社の提唱する
新システムが導入された場合、どのようにCASとの共存が可能かは不透明だ。
また、違法ダウンロードを合法的なコンテンツ販売のプラットフォームとして
活用するアプローチは、コムキャストなどのコンテンツオーナーにとって新たな
収益を生む可能性がある一方、純粋なISPにとっては適正な手数料収入が
保障されない限り、直接的なメリットはないようにみえる。
 さらに、1998年に制定されたデジタルミレニアム著作権法(DMCA)では、ISPなど
が提供するサービス上に違法なコンテンツが含まれているという通知(notice)を
受けた場合、該当するコンテンツを削除する(take down)する対応を取れば、
プロバイダ自身はユーザーが行った著作権侵害行為について損害賠償などの
責任を問われないという責任制限の枠組みが定められているが、これは
プロバイダの役割はあくまでもユーザーから受け取った情報をネット上で公開する
だけで、サーバーやネットワーク上で行われる行為に積極的に関与していないこと
を前提としている。これに対し、コムキャストが提唱するスキームではISPが
コンテンツ販売に直接関与することになるため、プロバイダの責任制限に関する
規定との整合性が問題になる可能性もある。
(Variety, August 6, 2013)

(庵研究員著)

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3.政府・団体の動向
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政府・団体の動向に関する最新記事の抜粋です。
詳細の横のURLをクリックすることで記事全文を示したページにアクセスできます。

■■情報セキュリティ法務関連政府・団体の動向■■

●8月6日、電気通信事業者協会が「なりすまし利用など、第三者による不正な
IP電話利用等に関して(ご注意)」を公開
詳細:http://www.tca.or.jp/press_release/2013/0806_583.html

●8月14日、情報処理推進機構が「Microsoft 製品の脆弱性対策について(8月)」を
公開
詳細:http://www.ipa.go.jp/security/ciadr/vul/20130814-ms.html

■■コンテンツビジネス法務関連政府・団体の動向■■

●8月5日、ビジネス ソフトウェア アライアンスが「BSAメンバー企業、三重県所在
のレンタル会社との間で調停成立」を公表
詳細:http://www.bsa.or.jp/press/release/2013/0805.html

■■産業財産権法務関連政府・団体の動向■■

●8月15日、特許庁が「特許戦略ポータルサイト」を更新
詳細:http://www.jpo.go.jp/sesaku/tokkyosenryaku_01.htm

●8月16日、特許庁が「羽藤長官 就任挨拶」を掲載
詳細:http://www.jpo.go.jp/shoukai/choukan/shunin.htm

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4.セミナー情報
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最新のセミナー情報をお知らせいたします。
詳細の横のURLをクリックすることでセミナー詳細情報を示したページにアクセス
できます。

■■情報セキュリティ法務関連セミナー情報■■

演題:S/MIME普及シンポジウム2013 September
〜なりすましメールをなくそう!〜
日時:平成25年9月9日
主催:日本情報経済社会推進協会
詳細:http://www.jipdec.or.jp/project/anshinkan/event/20130909.html

演題:情報セキュリティ EXPO【秋】
日時:平成25年10月23日〜25日
主催:リード エグジビション ジャパン株式会社
詳細:http://www.ist-expo.jp/

■■コンテンツビジネス法務関連セミナー情報■■

演題:著作権特別講演
「電子出版をめぐる諸問題」
日時:平成25年9月20日
主催:著作権情報センター
詳細:http://www.cric.or.jp/seminar/index.html#sem201309

演題:著作権研究会
「写真著作権と文化」
日時:平成25年9月30日
主催:日本写真家協会
詳細:http://www.jps.gr.jp/events/other/index.html

演題:2013年10月 定例研究会
日時:平成25年10月3日
主催:エンターテインメント・ロイヤーズ・ネットワーク
詳細:http://www.j-eln.org/

演題:関西地区著作権ビジネス講座
「拡大するネット上の動画利用とコンテンツビジネス」
日時:平成25年10月3日、4日
主催:著作権情報センター
詳細:http://www.cric.or.jp/seminar/index.html#sem20131003

演題:10月著作権研究会
「私的複製をめぐる諸問題」
日時:平成25年10月22日
主催:著作権情報センター
詳細:http://www.cric.or.jp/seminar/index.html#sem201310

■■産業財産権法務関連セミナー情報■■

演題:米国発明法−AIA−と新規則の解説
日時:平成25年10月3日(大阪)、4日(福岡)、7日(名古屋)、11日(札幌)
主催:発明推進協会
詳細:https://www.iprsupport-jpo.go.jp/apic-seminar/

演題:特許アキバ塾(全3日間)〜特許出願をイロハから学ぼう!〜
日時:平成25年10月17日、24日、31日
主催:東京都中小企業振興公社
詳細:http://www.tokyo-kosha.or.jp/chizai/seminar/2013/251017akiba.html

演題:知財塾 in 多摩(全5日間)〜事業に生きる知的財産を目指して〜 
日時:平成25年10月30日、11月6日、13日、20日、27日
主催:東京都中小企業振興公社
詳細:http://www.tokyo-kosha.or.jp/chizai/seminar/2013/251030tama.html

*詳細は、主催団体のHPへのリンクです。リンク先のコンテンツの内容・著作権等
に関しては、各リンク先にお問い合わせください。

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5.事務局からの連絡
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●次号は、2013年9月5日頃発行の予定です。
●ご意見、ご要望は事務局までどうぞお寄せください。
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【発行元】
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(Legal Affairs on Information Technology Institute:LAIT)
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