LAIT NEWS

No.198:バックナンバー

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■LAIT News【Vol.198 2012/7/5号】

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1.LAIT活動報告
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LAITセミナーについてお知らせします。

■■最新の活動報告■■
「クラウド環境における法律問題
−契約と知財侵害の準拠法と裁判管轄権−」は好評のうちに終了いたしました。
たくさんの方にご来場いただき誠にありがとうございました。

■■8月以降の活動予定■■

*8月の活動はお休みとさせていただきます。

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2.海外の注目ニュース
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海外の注目の最新ニュースをお知らせします。

■■EU「統一特許裁判所」の本部はパリに決定、14年に単一特許制度創設へ■■
●EU加盟国は6月28−29日に開いた首脳会議で単一特許制度の導入について
協議し、特許訴訟制度を一元化することで合意した。EU共通特許の紛争処理に
あたる「統一特許裁判所」の設置場所をめぐり、加盟国の間で調整が難航して
いたが、裁判所の本部機能をパリに置き、特定分野の事案を専門に扱う支部を
ロンドンとミュンヘンに開設する妥協案が成立。2014年にも単一特許制度が
創設される見通しとなった。今後の手続きとしては、7月上旬に欧州議会本会議で
EU共通特許と統一特許訴訟制度に関する2つの規則案について採決を行い、
閣僚理事会の正式な承認を経て実施に移す。
 現在、EUで特許を取得する仕組みとしては、各国で出願して個別に審査を受ける
方法と、欧州特許庁(EPO)に出願して「欧州特許」を取得する方法がある。しかし、
欧州特許も最終的な認可権限は各国当局が握っているため、出願人は特許を
取得したい国の制度に合わせてそれぞれ書類を用意しなければならず、翻訳など
の費用が企業にとって大きな負担になっている。このためEUでは30年ほど前から
域内共通の単一特許制度を創設する計画について議論が続いており、加盟国は
昨年3月、使用言語をめぐって同構想に反対するイタリアとスペインを除く25カ国で、
EU共通特許を先行導入することを正式に決めた。新システムでは1つの言語で
出願すれば済むため手続きが大幅に簡素化され、認可されれば同制度に参加
するすべてのEU加盟国で同じ効力を持つ特許を取得することができる。
 一方、欧州委員会は単一特許制度を支えるもう1つの柱として、EU共通特許に
関連した紛争を一括処理する訴訟制度の創設を提案していたが、統一特許
裁判所をどこに置くかをめぐって英国、フランス、ドイツが激しく対立。昨年12月の
閣僚理事会で控訴裁判所をルクセンブルクに置き、調停センターと仲裁センターを
それぞれリスボンとリュブリャナに開設することで合意したものの、裁判所本体の
設置場所をめぐって調整がつかず、結論を持ち越していた。
 英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、ロンドンが医薬、生命科学、化学、
農業などの分野を担当する一方、ミュンヘンは主にエンジニアリング関連の事案と
訴訟手続きに関する業務一般を受け持つ。各機関が担当する訴訟件数は
パリ本部が全体の60%、ロンドンが30%、ミュンヘンが10%程度になる見通しだ。
なお、統一特許裁判所の初代長官は本部を置くフランスから選出される見通しだ。
(Financial Times, June 29, 2012 他)

■■欧州議会がACTA批准案を否決、他の条約署名国に波及も■■
●欧州議会は4日の本会議で、知的財産権の執行のための国際的な枠組みと
なる「模倣品・海賊版拡散防止条約(ACTA)」について採決を行い、反対多数で
批准案を否決した。EU加盟国は昨年12月に全会一致でACTAへの参加を承認し、
今年1月にはEUおよび域内22カ国が条約に署名したが、欧州議会の同意が
得られなかったためEUはACTAの批准を見送る。
 ACTAは模倣品や海賊版の増加に歯止めをかけるため、日本と米国が2006年に
提唱した構想で、昨年10月に日本、米国、カナダ、韓国、シンガポール、豪州、
ニュージーランド、モロッコの8カ国が署名。EUがこれに続いた。しかし、条約に
盛り込まれたインターネット上における知的財産権侵害対策をめぐり、
プライバシーや言論の自由といった基本的権利が制限されることへの懸念から、
EU市民の間でACTAに反対する抗議運動が広がり、一部の加盟国は批准手続き
を凍結するなど先行きが不透明になっていた。
 欧州委員会はACTAを支持する立場から、知的財産権の執行基準を国際的に
調和させることが条約の目的で、既存のEUルールに変更を求めるものではない
との説明をくり返す一方、2月にはEU司法裁判所に対してACTAがEU法に合致して
いるかどうかの判断を求めた。こうしたなか、欧州データ保護監視官局(EDPS)は
4月、現行の条文では権利侵害に対する措置とプライバシーや個人情報保護の
バランスが十分に尊重されているとはいえず、EUの基本権憲章およびデータ
保護法に抵触するとの見解を表明。その後も欧州各地でACTAに反対するデモが
展開され、欧州議会には280万人が署名した批准否決の請願書が提出された。
欧州委は欧州議会に対し、裁判所の見解が出るまで採決を見送るよう要請したが、
6月末までに司法委員会や国際貿易委員会などで相次いで批准案が否決されて
いた。
 本会議ではまず、司法裁が見解をまとめるまで批准案の採決を延期するか
どうかについて投票が行われ、反対多数で延期案を否決。最終的にACTAの
批准案は賛成39票、反対478票、棄権165票で否決された。
 欧州委のデ・グフト委員(通商担当)は声明で「言うまでもなく、知的財産保護の
問題は世界的規模で取り組む必要がある。ACTAの批准が拒否されても、
欧州経済を支えるイノベーションや創造性を保護する必要がなくなることは決して
ない」と強調。EU司法裁の判断を待って対応を検討すると述べ、ACTAへの参加に
向けてあらゆる可能性を模索する考えを示唆した。ただ、現行の条文のまま
欧州議会の承認を得ることは現実的に不可能。ACTA自体は6カ国が批准すれば
成立するが、EUの動きが条約に署名している他の国に影響を及ぼす事態も
予想される。
(Associated Press, July 4, 2012 他)

(庵研究員著)

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3.政府・団体の動向
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政府・団体の動向に関する最新記事の抜粋です。
詳細の横のURLをクリックすることで記事全文を示したページにアクセスできます。

■■情報セキュリティ法務関連政府・団体の動向■■

●6月21日、電子情報技術産業協会が「グローバルな情報通信技術(ICT)業界の
声明 サイバーセキュリティに対する望ましい政府の取り組み」を公表
詳細:http://www.jeita.or.jp/japanese/topics/2012/0622/statement_2012.pdf
(注:PDFファイル)

●6月29日、総務省が「スマートフォンを安心して利用するために実施されるべき
方策」を公表
詳細:http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu03_02000020.html
(注:PDFファイル有り)

●7月2日、総務省が『「戦略的国際連携型研究開発推進事業」情報セキュリティに
関する研究開発課題の公募』を公表
詳細:http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin03_02000039.html
(注:PDFファイル有り)

●7月2日、警察庁が「警察庁長官官房審議官(サイバーセキュリティ戦略担当)の
設置について」 を公表
詳細:http://www.npa.go.jp/keibi/biki3/240702kouhou.pdf
(注:PDFファイル)

■■コンテンツビジネス法務関連政府・団体の動向■■

●6月1日、日本ネットワークインフォメーションセンターが「改訂版JPドメイン名
紛争処理方針等の公開のお知らせ」を公表
詳細:http://www.nic.ad.jp/ja/topics/2012/20120601-01.html

●6月14日、公正取引委員会が「一般社団法人日本音楽著作権協会に対する審決
について(音楽著作物の著作権に係る著作権等管理事業者による私的独占)」を
公表
詳細:http://www.jftc.go.jp/pressrelease/12.june/12061401.pdf
(注:PDFファイル)

●6月15日、総務省が「ICANNによる新たな分野別トップレベルドメイン名への
コメント等受付のお知らせ」を公表
詳細:http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban04_02000038.html
(注:PDFファイル有り)

●6月18日、総務省が「IPv6によるインターネットの利用高度化に関する研究会
(第20回)配布資料を」公表
詳細:http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/chousa/ipv6_internet/02kiban04_03000085.html
(注:PDFファイル有り)

●6月21日、総務省が「デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会
(第65回)配布資料」を公表
詳細:http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/joho_tsusin/digitalcontent/02ryutsu04_03000084.html
(注:PDFファイル有り)

●6月26日、日本映像ソフト協会が「著作権法の一部を改正する法律の成立に
ついて」を公表
詳細:http://www.jva-net.or.jp/news/news_120626/release.pdf
(注:PDFファイル)

●6月27日、日本映像ソフト協会が「日本映像ソフト協会会報 No.152」を公表
詳細:http://www.jva-net.or.jp/bulletin/jva-repo_152.pdf
(注:PDFファイル)

●6月29日、総務省が『利用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題に関する
研究会提言「スマートフォン プライバシー イニシアティブ −利用者情報の適正な
取扱いとリテラシー向上による新時代イノベーション−」(案)に対する意見募集』を
公表
詳細:http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban08_02000081.html

●7月2日、経済産業省が「我が国の優れたコンテンツ技術を発掘・評価するための
事業 “Innovative Technologies”の募集を開始します」を公表
詳細:http://www.meti.go.jp/press/2012/07/20120702002/20120702002.pdf
(注:PDFファイル)

■■産業財産権法務関連政府・団体の動向■■

●6月29日、特許庁が「特許行政年次報告書2012年版
〜グローバルな知的財産システムの実現に向けた競争と協調〜」を公表
詳細:http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/shiryou/toushin/nenji/nenpou2012_index.htm
(注:PDFファイル有り)

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4.セミナー情報
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最新のセミナー情報をお知らせいたします。
詳細の横のURLをクリックすることでセミナー詳細情報を示したページにアクセス
できます。

■■情報セキュリティ法務関連セミナー情報■■

演題:2012年度 第3回 月例セミナー
〜犯罪学を応用した内部不正・事故の抑制手法〜
日時:平成24年7月19日
主催: 日本セキュリティ監査協会
詳細:http://www.jasa.jp/seminar/monthly.html?year=2012&key=3

演題:平成24年度の新規申請事業者を対象としたセミナー
「中小事業者のためのプライバシーマークセミナー」第2回
日時:平成24年7月27日
主催:日本情報経済社会推進協会
詳細:http://privacymark.jp/news/2012/0417/index.html

演題:セキュリティ事故の傾向とソーシャルメディアの安全な使い方
〜最新の情報セキュリティ事情〜
日時:平成24年7月27日
主催:日本ネットワークセキュリティ協会
詳細:http://www.jnsa.org/seminar/2012/0727/index.html

■■コンテンツビジネス法務関連セミナー情報■■

演題:2012年7月著作権研究会
「著作物の利用( 改変態様 )の可否とその判断要素についての考察」
日時:平成24年7月11日 
主催:著作権情報センター
詳細:http://www.cric.or.jp/seminar/seminar1207.pdf
(注:PDFファイル)

演題:2012年7月 定例研究会
コンテンツ製作・流通の環境整備に向けた総務省の取組
日時:平成24年7月20日
主催:エンターテインメント・ロイヤーズ・ネットワーク
詳細:http://www.j-eln.org/

演題:DCAJビジネスセミナー(第3回)
『映像コンテンツ技術の最新動向 〜 次世代高画質4K映像の現状 〜』
日時:平成24年7月23日
主催:デジタルコンテンツ協会
詳細:http://www.dcaj.org/news/20120703_000036.html

演題:「クラウドビジネスと法」 
日時:平成24年7月24日
主催:ソフトウェア情報センター
詳細:http://www.softic.or.jp/seminar/120724/index.htm
(注:PDFファイル有り)

演題:2012年度第3回定例研究会
「システム開発プロジェクト成功への道筋」
〜基本に立ち戻って考えるガイドライン等の利用〜
日時:平成24年7月27日
主催:システム監査学会
詳細:http://www.sysaudit.gr.jp/kenkyukai/2012teirei3.pdf
(注:PDFファイル)

■■産業財産権法務関連セミナー情報■■

演題:知的財産セミナー
発見!!元気な中小企業の3つの秘訣
〜知的財産で磨こう!あなたの会社の強み〜
日時:平成24年7月10日(群馬県)、12日(東京都)
主催:東広域関東圏知的財産戦略本部(関東経済産業局)・特許庁・開催地の自治体
詳細:http://www.jiii.or.jp/semina/index.html
(注:PDFファイル有り)

演題:知財研セミナー
「インドにおける知財権ライセンスと営業秘密保護の実態」
日時:平成24年7月12日
主催:知的財産研究所
詳細:http://www.iip.or.jp/seminar/120712.html

演題:AIPPI日中韓 Trilateral Meeting 2012
日時:平成24年7月13日〜15日
主催:日本国際知的財産保護協会
詳細:http://www.aippi.or.jp/trilateral/brochure_2012_trilateral_meeting_for_Japan.pdf
(注:PDFファイル)

演題:知的財産セミナー  ノウハウ管理セミナー
〜ノウハウの保護管理と秘密保持契約書のポイント〜
日時:平成24年7月23日
主催:東京都知的財産総合センター
詳細:http://www.tokyo-kosha.or.jp/chizai/seminar/2012/240723knowhow.html

演題:知財戦略セミナー 〜経営者向け〜
日時:平成24年8月9日
主催:東京都知的財産総合センター
詳細:http://www.tokyo-kosha.or.jp/chizai/seminar/2012/240809senryaku.html

*詳細は、主催団体のHPへのリンクです。リンク先のコンテンツの内容・著作権等
に関しては、各リンク先にお問い合わせください。

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5.事務局からの連絡
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●次号は、2012年7月20日頃発行の予定です。
●ご意見、ご要望は事務局までどうぞお寄せください。
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■本メールは、IT企業法務研究所の会員様およびLAIT News登録会員様に
同意をいただいた上でお送りしているものです。
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負いかねます。
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【発行元】
IT企業法務研究所
(Legal Affairs on Information Technology Institute:LAIT) 
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