LAIT NEWS

No.189:バックナンバー

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■LAIT News【Vol.189 2012/2/20号】

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1.LAIT活動報告
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LAITセミナーについてお知らせします。

◆◆クラウド法制を考える待望の3回シリーズが始まります。◆◆

■■3月の活動予定■■
演題: 「クラウド環境における法律問題
 −コンテンツに対する技術的保護手段−」
講師: 山本 隆司(やまもと たかし)氏
弁護士(インフォテック法律事務所)
概要: 現行の著作権法は、クラウド環境下のコンテンツの保護・利用に
対応しているか。クラウド・コンピューティングにおいて利用される
技術的保護手段が著作権法によって適切な保護を受けているのか、
最も重要な問題である。
 クラウド・コンピューティングにおいては、?サーバ側に置かれた
コンテンツにアクセスできる者を特定人に限るよう、利用者をIDと
パスワードで認証することが必要となる。また、?IDとパスワードを
盗聴から防止するために、これを暗号化などの措置が必要となる。
さらに、?クライアント側に送られるデータを盗聴から防止する
ために、暗号化などの措置が必要となる。
  この講演においては、?技術的保護手段として利用される認証、
暗号化、識別信号などの要素技術の機能と限界を分析する。
?コンテンツをネット・コンテンツ、パッケージ・コンテンツおよび
システム・コンテンツに分けて、技術的保護手段の利用形態の実例を
見ていく。また、?クラウド・コンピューティングを含むデジタル
環境下でのコンテンツの利用において、コンテンツに対するアクセス
・コントロールの保護が必要かを検証する。
日時: 平成24年3月22日(木)午後1時30分〜午後3時30分 [注]木曜日開催  
場所: 「アビタス 八重洲」セミナールーム3
中央区日本橋3−6−2 日本橋フロント4階「アビタス」
    (JR東京駅八重洲口徒歩5分、東京メトロ銀座線・東西線日本橋駅
    B1出口徒歩2分:中央通りと八重洲通りの交差点(日本橋3丁目)
      からタカシマヤ寄り二つ目のビル)
参加費: 3,000円(税込)
申込: http://www.lait.jp/laitseminar.php?itemid=792

■■4月の活動予定■■
演題: 「クラウド環境における法律問題
 −アクセス・コントロールに対する各国の法整備−」
講師: 山本 隆司(やまもと たかし)氏
弁護士(インフォテック法律事務所)
概要: 米国が1998年に制定した「デジタルミレニアム著作権法」(DMCA)は、
その名前が示すとおり、著作権法を21世紀のデジタル環境に対応させる
という意欲を持った立法である。その柱の一つが技術的保護手段の
保護であるが、アクセス・コントロールの保護を中心課題と位置付けて
いる。技術的保護手段の保護についてすでに多くの裁判例があるが、
そのほとんどはアクセス・コントロール事案であって、コピー・
コントロール事案はわずかにすぎない。このことは、コンテンツの保護に
おけるアクセス・コントロールの重要性を示している。
米国に遅れて欧州連合でも2001年に「情報社会指令」を出して加盟国に
アクセス・コントロールを含む技術的保護手段を著作権法で保護することを
義務付けた。これを受けて欧州各国では著作権法にアクセス・コントロール
を保護する規定を置いている。
他方、日本では、著作権法でアクセス・コントロールを保護する必要が
あるとの認識は全く存在せず、不正競争防止法と不正アクセス禁止法で
部分的にかつ間接的に保護されているにとどまる。
この講演では、以上のようなアクセス・コントロールの保護に対する各国
の法制を検討する。
日時: 平成24年4月12日(木)午後1時30分〜午後3時30分 [注]木曜日開催  
場所: 「アビタス 八重洲」セミナールーム3
中央区日本橋3−6−2 日本橋フロント4階「アビタス」
    (JR東京駅八重洲口徒歩5分、東京メトロ銀座線・東西線日本橋駅
    B1出口徒歩2分:中央通りと八重洲通りの交差点(日本橋3丁目)
      からタカシマヤ寄り二つ目のビル)
参加費: 3,000円(税込)
申込: http://www.lait.jp/laitseminar.php?itemid=793

■■5月の活動予定■■
演題: 「クラウド環境における法律問題
 −契約と知財侵害の準拠法と裁判管轄権−」
講師: 山本 隆司(やまもと たかし)氏
弁護士(インフォテック法律事務所)
概要: 国際私法は、クラウド環境下のコンテンツの保護・利用に対応して
いるか。もともと、裁判管轄と準拠法を決定する国際私法ルールは、
各国ごとに異なっている。そのうえ、コンテンツの保護・利用に
ついては、知的財産権に特有の属地主義が存在し、裁判管轄・準拠法
ルールは、複雑な様相を呈している。
この講演においては、まず、日米欧における裁判管轄・準拠法ルール
の法制の現状と改正動向を紹介する。各国においてネットワーク環境へ
の対応を目指して新ルールを提唱する動きが盛んであり、法改正が
盛んである。
つぎに、ネットワーク環境、特にクラウド環境下での固有の問題点を
具体的に見ていく。ネットワーク配信においては、多数の国でコンテンツが
受信されるが、その紛争はどこの国が裁判管轄権を持つのか、またこれに
どこの法が適用されるのか。とくに、サーバとクライアントの所在国が
異なると、裁判管轄と準拠法の決定が問題となるが、クラウド・
コンピューティングにおけるコンテンツの利用が果たしてクライアント側に
あると言えるのか、それともサーバ側にあると言えるのか、微妙な状況を
生ずる。
日時: 平成24年5月18日(金)午後1時30分〜午後3時30分 [注]金曜日開催
場所: 「アビタス 八重洲」セミナールーム3
中央区日本橋3−6−2 日本橋フロント4階「アビタス」
    (JR東京駅八重洲口徒歩5分、東京メトロ銀座線・東西線日本橋駅
    B1出口徒歩2分:中央通りと八重洲通りの交差点(日本橋3丁目)
      からタカシマヤ寄り二つ目のビル)
参加費: 3,000円(税込)
申込: http://www.lait.jp/laitseminar.php?itemid=794

[注] 諸事情により、参加費が有料(3,000円)となりますので、ご了承ください。

[注] 3月から5月は「クラウド環境における法律問題」を取り上げていますが、
   申込みは各月毎になりますので、ご了承ください。

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2.海外の注目ニュース
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海外の注目の最新ニュースをお知らせします。

■■EU司法裁がSNSに対するフィルタリング義務化を否定、
著作権管理団体の要求却下■■
●EU司法裁判所は16日、著作権保護されたコンテンツの違法な流通を阻止する
目的で、ソーシャルネットワーキングサイト(SNS)に対してフィルタリングシステムの
導入を強制することはできないとする判決を言い渡した。司法裁は昨年11月、
インターネット・サービス・プロバイダー(ISP)に対するフィルタリング義務化を違法
とする判決を下しており、フェイスブックやグーグル傘下のユーチューブをはじめと
するSNSを標的とした今回の裁判でも同様の判断が示された。
 今回の事案はベルギーの著作権管理団体SABAMが2009年6月、同国のSNSで
あるネットログ(Netlog)に対し、違法コンテンツを遮断するフィルタリングシステムの
導入を求めて訴えていたもの。SABAMはネットログの加入者がプロフィールページに
著作権保護された音楽や画像ファイルを無断で投稿し、ユーザー同士でファイルを
共有していると主張。ただちにユーザーによる著作権侵害行為を阻止するための
対策を講じると共に、違反した場合は1日につき1,000ユーロをSABAMに支払うよう
求める訴訟をベルギーの第一審裁判所に起こした。これに対してネットログ側は、
フィルタリングシステムの導入はユーザー行動の監視につながり、事業者にそうした
監視システムの導入を強制することはEUの電子商取引指令に抵触すると反論。
第一審裁判所がEU司法裁に判断を求めていた。
 司法裁は判決で、ネットワーク上のコンテンツ流通を監視するシステムの導入は
コストや技術面でSNSにとって大きな負担となり、事業者が自由にビジネスを行う
権利を奪うおそれがあると指摘。また、個人情報保護や自由なコミュニケーション
といったユーザーの基本的人権を侵害する懸念もあるとし、顧客による
ネットワーク上のトラフィックを自己費用で監視することをSNSに義務づけることは
「知的財産権の保護と自由に事業を行う権利のバランス」を損ない、EU法に
合致しないと結論づけた。
(Financial Times, February 16, 2012 他)

(庵研究員著)

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3.政府・団体の動向
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政府・団体の動向に関する最新記事の抜粋です。
詳細の横のURLをクリックすることで記事全文を示したページにアクセスできます。

■■情報セキュリティ法務関連政府・団体の動向■■

●2月7日、情報処理推進機構が『情報セキュリティ月間における官民連携による
「情報セキュリティ啓発活動」の実施について』を公表
詳細:http://www.ipa.go.jp/about/press/20120207.html

●2月15日、総務省が「KDDI株式会社に対する事故防止に係る指導」を公開
詳細:http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban05_02000020.html

●2月16日、総務省が『「IPネットワーク設備委員会報告(案)−電気通信設備の
安全・信頼性対策に関する事項−」に対する意見募集の結果』を公開
詳細:http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban05_02000019.html

■■コンテンツビジネス法務関連政府・団体の動向■■

●2月10日、総務省が『平成24年1月「通信・放送産業動態調査」の結果(速報)』
を公開
詳細:http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin02_02000034.html

●2月10日、総務省が「情報通信審議会 情報通信技術分科会
携帯電話等高度化委員会(第1回)」を公開
詳細:http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/joho_tsusin/keitai_koudoka/54075_1.html

●2月10日、総務省が「情報通信審議会 情報通信技術分科会
携帯電話等高度化委員会(第2回)」を公開
詳細:http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/joho_tsusin/keitai_koudoka/54075_2.html

●2月10日、総務省が「スマートフォンを経由した利用者情報の取扱いに関する
WG(第2回)」を公開
詳細:http://www.soumu.go.jp/menu_sosiki/kenkyu/riyousya_ict/02kiban08_03000089.html

●2月14日、実演家著作隣接権センターが「SARVH私的録画補償金損害賠償
請求裁判控訴審判決に関する文章をc2cホームページに 掲載」を公表
詳細:http://www.cpra.jp/web2/plazaweb/news/2012/120214.html

●2月17日、総務省が「ブロードバンド普及促進のための公正競争レビュー制度に
係る意見募集」を公開
詳細:http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban02_02000045.html

■■産業財産権法務関連政府・団体の動向■■

●2月15日、特許庁が「ベトナム国家知的財産庁と知的財産における協力覚書を
締結」を公開
詳細:http://www.meti.go.jp/press/2011/02/20120215004/20120215004.html
(注:経済産業省のページ)

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4.セミナー情報
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最新のセミナー情報をお知らせいたします。
詳細の横のURLをクリックすることでセミナー詳細情報を示したページにアクセス
できます。

■■情報セキュリティ法務関連セミナー情報■■

演題:第4回 全国情報セキュリティ啓発シンポジウム
インターネット安全教室 in 東京
日時:平成24年3月3日
主催:日本ネットワークセキュリティ協会
詳細:http://www.net-anzen.go.jp/symposium/

■■コンテンツビジネス法務関連セミナー情報■■

演題:3.11から一年「事業継続計画<BCP>を見直す」
〜自然災害、サイバーテロ、企業ガバナンス等直面する危機を知る〜
日時:平成24年3月7日
主催:コンピュータソフトウェア協会
詳細:http://www.csaj.jp/seminar/2012/0307_seminar.html

演題:ソフトベンダのためのクラウド活用ビジネス事例紹介
〜サービスビジネスで成功するためのポイントを学ぶ〜
日時:平成24年3月9日
主催:コンピュータソフトウェア協会
詳細:http://www.csaj.jp/seminar/2012/0309_seminar.html

演題:第7回 JEPA EPUBセミナー
〜EPUB3.0最新動向〜
日時:平成24年3月15日
主催:日本電子出版協会
詳細:http://kokucheese.com/event/index/28268/

演題:個人情報保護法制とクラウド
日時:平成24年3月22日
主催:ソフトウェア情報センター
詳細:http://www.softic.or.jp/seminar/member/120322/index.htm

■■産業財産権法務関連セミナー情報■■

演題:コンテンツ産業向け知的財産フォーラム
〜サンライズ のコンテンツ活用戦略〜
日時:平成24年3月1日
主催:東京都知的財産総合センター
詳細:http://www.tokyo-kosha.or.jp/chizai/seminar/2011/240301_contents.html

演題:知財支援セミナー
〜デザインも知的財産の一つ! デザインの効果的な活用術!〜
日時:平成24年3月1日 
主催:日本弁理士会近畿支部
詳細:http://www.kjpaa.jp/ev/120301.html

演題:戦略的知財マネジメント促進事業 知的財産セミナー
成功事例に学ぶ!中小企業経営に活かせる知財活動の始め方
日時:平成24年3月8日
主催:発明協会・特許庁
詳細:http://www.jiii.or.jp/semina/pdf/0308_ibaraki.pdf
(注:PDFファイル)

演題:知的財産に関する成功秘話・失敗秘話
〜いまだから言える、あの時こうすればよかった。成功への第一歩〜
日時:平成24年3月9日
主催:日本弁理士会近畿支部
詳細:http://www.kjpaa.jp/public/pu_02support/pu_02support_index29.html

演題:知的財産セミナー 特許庁委託 
平成23年度特別研究員 研究成果報告会の御案内
日時:平成24年3月13日
主催:知的財産研究所
詳細:http://www.iip.or.jp/seminar/120313.html

演題:2012年3月著作権研究会
「メディアにおけるパブリシティ価値の使用」
日時:平成24年3月16日
主催:著作権情報センター
詳細:http://www.cric.or.jp/seminar/seminar1203.pdf
(注:PDFファイル)

*詳細は、主催団体のHPへのリンクです。リンク先のコンテンツの内容・著作権等
に関しては、各リンク先にお問い合わせください。

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5.事務局からの連絡
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●次号は、2012年3月5日頃発行の予定です。
●ご意見、ご要望は事務局までどうぞお寄せください。
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■本メールは、IT企業法務研究所の会員様およびLAIT News登録会員様に
同意をいただいた上でお送りしているものです。
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よって会員がいかなる損害を受けた場合であっても研究所は一切の責任を
負いかねます。
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【発行元】
IT企業法務研究所
(Legal Affairs on Information Technology Institute:LAIT) 
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【お問合せ先】 IT企業法務研究所 事務局
          株式会社インタークロス
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