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「WIPO視聴覚実演条約」(WIPO Audiovisual Performances Treaty)、2012年6月成立の方向 -2012年6月北京で外交会議開催が決定-

IT企業法務研究所代表研究員 棚野正士

 2011年11月21日から12月1日にかけて、第23回WIPO著作権等常設委員会(SCCR)、放送機関の保護に関する非公式会議、視聴覚実演の保護に関する外交会議準備会議がWIPO(世界所有権機関)本部(ジュネーヴ)で開催された。
 外交会議準備会は11月30日、12月1日の二日間開催され、視聴覚実演の保護に関する外交会議を2012年6月20日以降の1週間、北京(中国)で開くことを決定した。
 「WIPO視聴覚実演条約」は北京におけるこの外交会議で成立する予定である。
 視聴覚実演の保護に関する国際秩序の見直しは、1961年ローマ条約(実演家、レコード製作者及び放送機関の保護に関する国際条約)以来の課題であり、条約が成立すれば半世紀振りに国際ルールが策定されることになる。(注;ローマ条約第19条(映画に固定された実演)では「この条約のいかなる規定にもかかわらず、実演家がその実演を影像の固定物又は影像及び音の固定物に収録することを承諾したときは、その時以降第7条(注:実演家の権利)の規定は、適用しない。」と定めている。この規定は当時アメリカとヨーロッパの対立構造の中で、アメリカの提案によって決められている。)
  「WIPO視聴覚実演条約」が成立し日本が加入する時は、日本の国内法をどのようにするかが課題となり、加入までの間に権利者団体などで研究されることになろう。
 なお、WIPO視聴覚実演条約草案第5条(人格権)については、日本は2002年、「実演及びレコードに関する世界知的所有権機関条約」(WPPT)加入時の国内法改正で音の実演に関する実演家の人格権を定める際に、視聴覚実演に関する実演家の人格権も条約を先取りして定めている。
 (詳しくはLAITホームページ“C-Japan”「WIPO視聴覚的実演条約 2012年成立へ」を参照。)

以上

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