LAIT NEWS

No.190:バックナンバー

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■LAIT News【Vol.190 2012/3/5号】

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1.LAIT活動報告
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LAITセミナーについてお知らせします。

◆◆今月から、クラウド法制を考える待望の3回シリーズが始まります。◆◆

■■3月の活動予定■■
演題: 「クラウド環境における法律問題
 −コンテンツに対する技術的保護手段−」
講師: 山本 隆司(やまもと たかし)氏
弁護士(インフォテック法律事務所)
概要: 現行の著作権法は、クラウド環境下のコンテンツの保護・利用に
対応しているか。クラウド・コンピューティングにおいて利用される
技術的保護手段が著作権法によって適切な保護を受けているのか、
最も重要な問題である。
 クラウド・コンピューティングにおいては、?サーバ側に置かれた
コンテンツにアクセスできる者を特定人に限るよう、利用者をIDと
パスワードで認証することが必要となる。また、?IDとパスワードを
盗聴から防止するために、これを暗号化などの措置が必要となる。
さらに、?クライアント側に送られるデータを盗聴から防止する
ために、暗号化などの措置が必要となる。
  この講演においては、?技術的保護手段として利用される認証、
暗号化、識別信号などの要素技術の機能と限界を分析する。
?コンテンツをネット・コンテンツ、パッケージ・コンテンツおよび
システム・コンテンツに分けて、技術的保護手段の利用形態の実例を
見ていく。また、?クラウド・コンピューティングを含むデジタル
環境下でのコンテンツの利用において、コンテンツに対するアクセス
・コントロールの保護が必要かを検証する。
日時: 平成24年3月22日(木)午後1時30分〜午後3時30分 [注]木曜日開催  
場所: 「アビタス 八重洲」セミナールーム3
中央区日本橋3−6−2 日本橋フロント4階「アビタス」
    (JR東京駅八重洲口徒歩5分、東京メトロ銀座線・東西線日本橋駅
    B1出口徒歩2分:中央通りと八重洲通りの交差点(日本橋3丁目)
      からタカシマヤ寄り二つ目のビル)
参加費: 3,000円(税込)
申込: http://www.lait.jp/laitseminar.php?itemid=792

■■4月の活動予定■■
演題: 「クラウド環境における法律問題
 −アクセス・コントロールに対する各国の法整備−」
講師: 山本 隆司(やまもと たかし)氏
弁護士(インフォテック法律事務所)
概要: 米国が1998年に制定した「デジタルミレニアム著作権法」(DMCA)は、
その名前が示すとおり、著作権法を21世紀のデジタル環境に対応させる
という意欲を持った立法である。その柱の一つが技術的保護手段の
保護であるが、アクセス・コントロールの保護を中心課題と位置付けて
いる。技術的保護手段の保護についてすでに多くの裁判例があるが、
そのほとんどはアクセス・コントロール事案であって、コピー・
コントロール事案はわずかにすぎない。このことは、コンテンツの保護に
おけるアクセス・コントロールの重要性を示している。
米国に遅れて欧州連合でも2001年に「情報社会指令」を出して加盟国に
アクセス・コントロールを含む技術的保護手段を著作権法で保護することを
義務付けた。これを受けて欧州各国では著作権法にアクセス・コントロール
を保護する規定を置いている。
他方、日本では、著作権法でアクセス・コントロールを保護する必要が
あるとの認識は全く存在せず、不正競争防止法と不正アクセス禁止法で
部分的にかつ間接的に保護されているにとどまる。
この講演では、以上のようなアクセス・コントロールの保護に対する各国
の法制を検討する。
日時: 平成24年4月12日(木)午後1時30分〜午後3時30分 [注]木曜日開催  
場所: 「アビタス 八重洲」セミナールーム3
中央区日本橋3−6−2 日本橋フロント4階「アビタス」
    (JR東京駅八重洲口徒歩5分、東京メトロ銀座線・東西線日本橋駅
    B1出口徒歩2分:中央通りと八重洲通りの交差点(日本橋3丁目)
      からタカシマヤ寄り二つ目のビル)
参加費: 3,000円(税込)
申込: http://www.lait.jp/laitseminar.php?itemid=793

■■5月の活動予定■■
演題: 「クラウド環境における法律問題
 −契約と知財侵害の準拠法と裁判管轄権−」
講師: 山本 隆司(やまもと たかし)氏
弁護士(インフォテック法律事務所)
概要: 国際私法は、クラウド環境下のコンテンツの保護・利用に対応して
いるか。もともと、裁判管轄と準拠法を決定する国際私法ルールは、
各国ごとに異なっている。そのうえ、コンテンツの保護・利用に
ついては、知的財産権に特有の属地主義が存在し、裁判管轄・準拠法
ルールは、複雑な様相を呈している。
この講演においては、まず、日米欧における裁判管轄・準拠法ルール
の法制の現状と改正動向を紹介する。各国においてネットワーク環境へ
の対応を目指して新ルールを提唱する動きが盛んであり、法改正が
盛んである。
つぎに、ネットワーク環境、特にクラウド環境下での固有の問題点を
具体的に見ていく。ネットワーク配信においては、多数の国でコンテンツが
受信されるが、その紛争はどこの国が裁判管轄権を持つのか、またこれに
どこの法が適用されるのか。とくに、サーバとクライアントの所在国が
異なると、裁判管轄と準拠法の決定が問題となるが、クラウド・
コンピューティングにおけるコンテンツの利用が果たしてクライアント側に
あると言えるのか、それともサーバ側にあると言えるのか、微妙な状況を
生ずる。
日時: 平成24年5月18日(金)午後1時30分〜午後3時30分 [注]金曜日開催
場所: 「アビタス 八重洲」セミナールーム3
中央区日本橋3−6−2 日本橋フロント4階「アビタス」
    (JR東京駅八重洲口徒歩5分、東京メトロ銀座線・東西線日本橋駅
    B1出口徒歩2分:中央通りと八重洲通りの交差点(日本橋3丁目)
      からタカシマヤ寄り二つ目のビル)
参加費: 3,000円(税込)
申込: http://www.lait.jp/laitseminar.php?itemid=794

[注] 諸事情により、参加費が有料(3,000円)となりますので、ご了承ください。

[注] 3月から5月は「クラウド環境における法律問題」を取り上げていますが、
   申込みは各月毎になりますので、ご了承ください。

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2.海外の注目ニュース
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海外の注目の最新ニュースをお知らせします。

■■欧州委がEU司法裁にACTAの合法性判断を要請、
抗議運動の高まりで批准は不透明に■■
●知的財産権の執行のための国際的な枠組みとなる「模倣品・海賊版拡散防止
条約(ACTA)」をめぐり、欧州委員会は2月22日、EU法との整合性についてEU司法
裁判所に判断を求めたことを明らかにした。
 ACTAは模倣品や海賊版の増加に歯止めをかけるため、日本と米国が2006年に
提唱した構想で、昨年10月に日本、米国、カナダ、韓国、シンガポール、豪州、
ニュージーランド、モロッコの8カ国が署名。閣僚理事会の承認を経て、
1月26日にはEUおよびドイツ、オランダ、エストニア、キプロス、スロバキアを除く
域内22カ国が条約に署名しており、近く欧州議会と各国議会でそれぞれ批准
手続きに入ることになっている。
 しかし、欧州ではインターネット上の自由の制限を懸念する市民団体などによる
抗議運動が急速に拡大し、一部の加盟国は批准手続きを凍結するなど先行きが
不透明になっている。欧州委は知的財産権の執行基準を国際的に調和させるのが
ACTAの狙いで、既存のEUルールに変更を求めるものではないとの説明を
くり返してきたが、署名に至るまでの交渉プロセスが不透明だったことも批判の的に
なっている点を踏まえ、ACTAの合法性について明確にする必要があると判断した。
 欧州委のデ・グフト委員(通商担当)は会見で、プライバシーや言論の自由と
いった基本的権利が制限されることへのEU市民の懸念は理解できるとしたうえで、
「ソーシャルメディアなどを介して広がっている誤った情報や憶測ではなく、事実に
基づいて議論されなければならない」と指摘。「知的財産権保護の国際的な基準を
引き上げることがACTAの目的であり、ウェブサイトを検閲・閉鎖したり、ネット上の
言論の自由を制限するものではない」と強調した。
 ACTAには当初、ネット上の著作権侵害対策の一環として、違法ダウンロードの
常習者に対してネット接続を切断するなどの措置が盛り込まれていたが、EU側の
強い反対でいくつかの条文が削除された。しかし、ACTAは通商条約と位置付け
られているため一連の交渉は水面下で行われた経緯があり、欧州の市民団体
などは十分な情報が公開されなかった点を最も問題視している。ACTAに署名した
ポーランドで1月末に大規模なデモが行われたのを機に抗議運動がEU全域に広がり、
2月11日には域内のおよそ200カ所で一斉デモが行われた。
 こうした動きを受け、ドイツ、ポーランド、チェコ、ルーマニア、ブルガリア
などは批准プロセスを凍結したり、批准を拒否する意向を表明。欧州議会でも違法
ダウンロード対策やEU法との整合性を懸念する声が高まっている。シュルツ議長は
独公共放送ARDとのインタビューで「インターネットユーザーの権利と著作権保護の
適正なバランスが取れていない」と指摘。「現行の条約は良いものとは思えない」と
述べ、ACTAの批准に難色を示している。
(European Commission Press Release, February 22, 2012 他)

(庵研究員著)

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3.政府・団体の動向
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政府・団体の動向に関する最新記事の抜粋です。
詳細の横のURLをクリックすることで記事全文を示したページにアクセスできます。

■■情報セキュリティ法務関連政府・団体の動向■■

●2月15日、日本ネットワークセキュリティ協会が「産学情報セキュリティ人材育成
検討会(仮称)を発足」を公表
詳細:http://www.jnsa.org/press/2012/120215.pdf
(注:PDFファイル)

●2月17日、警察庁が「平成23年度総合セキュリティ対策会議(第5回)」を公表
詳細:http://www.npa.go.jp/cyber/csmeeting/h23/pdf/h23youshi5.pdf
(注:PDFファイル)

●2月20日、経済産業省及び情報処理推進機構が『「セキュリティ・キャンプ実施
協議会」の設立について〜官民連携による若年層セキュリティ人材の発掘・育成
体制の構築〜』を公表
詳細:http://www.meti.go.jp/press/2011/02/20120220002/20120220002.html
(注:PDFファイル有り)

●2月22日、情報処理推進機構が「セキュリティ・キャンプ実施協議会の実施体制と
事業計画について」を公表
詳細:http://www.ipa.go.jp/about/press/20120222.html
(注:PDFファイル有り)

●2月23日、警察庁が「平成23年中の出会い系サイト等に起因する事犯の検挙
状況について」を公表
詳細:http://www.npa.go.jp/cyber/statics/h23/pdf02.pdf
(注:PDFファイル有り)

■■コンテンツビジネス法務関連政府・団体の動向■■

●2月29日、総務省が『「知のデジタルアーカイブに関する研究会」提言(案)及び
デジタルアーカイブの構築・連携のためのガイドライン(案)に対する意見募集』を
公表
詳細:http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu02_02000037.html
(注:PDFファイル有り)

●2月29日、総務省が「3.9世代移動通信システムの普及のための特定基地局の
開設計画の認定」を公表
詳細:http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban14_02000079.html
(注:PDFファイル有り)

●3月1日、日本ネットワークインフォメーションセンターが『改訂版「JPドメイン名
紛争処理方針のための手続規則」公開のお知らせ』を公開
詳細:http://www.nic.ad.jp/ja/topics/2012/20120301-01.html

■■産業財産権法務関連政府・団体の動向■■

●2月24日、特許庁が『広報誌「とっきょ」平成24年2・3月号』を公開
詳細:http://www.jpo.go.jp/torikumi/hiroba/pdf/kohoshi_tokkyo/tokkyo_02.pdf
(注:PDFファイル)

●3月1日、経済産業省が「日本国特許庁、メキシコ産業財産庁と産業財産に
おける協力覚書を締結」を公表
詳細:http://www.meti.go.jp/press/2011/03/20120301006/20120301006.html
(注:PDFファイル有り)

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4.セミナー情報
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最新のセミナー情報をお知らせいたします。
詳細の横のURLをクリックすることでセミナー詳細情報を示したページにアクセス
できます。

■■情報セキュリティ法務関連セミナー情報■■

演題:第9回 関西情報セキュリティ団体合同セミナー
現場の情報セキュリティ力を向上するための考え方と実践方法
日時:平成24年3月16日
主催:日本セキュリティ監査協会
詳細:http://kansai.security-policy.jp/

演題:第9回情報セキュリティEXPO春
日時:平成24年5月9日〜11日
主催:リード エグジビション ジャパン株式会社
詳細:http://www.ist-expo.jp/

■■コンテンツビジネス法務関連セミナー情報■■

演題:災害、サイバー攻撃対策セミナー
3.11から一年「事業継続計画<BCP>を見直す」
〜企業が直面する情報セキュリティ危機を学ぶ〜
日時:平成24年3月7日
主催:コンピュータソフトウェア協会
詳細:http://www.csaj.jp/seminar/2012/0307_seminar.html

演題:SaaS/クラウド成功実例勉強会
〜採算の高いサービスビジネスのノウハウとは〜
ソフトベンダのためのクラウド活用ビジネス事例紹介
日時:平成24年3月9日
主催:コンピュータソフトウェア協会
詳細:http://www.csaj.jp/seminar/2012/0309_seminar.html

演題:第7回 JEPA EPUBセミナー
〜EPUB3.0最新動向〜
日時:平成24年3月15日
主催:日本電子出版協会
詳細:http://kokucheese.com/event/index/28268/

演題:個人情報保護法制とクラウド
日時:平成24年3月22日
主催:ソフトウェア情報センター
詳細:http://www.softic.or.jp/seminar/member/120322/index.htm

演題:ISMS適合性評価制度に関する説明会のご案内
日時:平成24年3月27日(東京)、30日(大阪) 
主催:日本情報経済社会推進協会
詳細:http://www.isms.jipdec.or.jp/seminar/201203index.html

■■産業財産権法務関連セミナー情報■■

演題:知的財産に関する成功秘話・失敗秘話
〜いまだから言える、あの時こうすればよかった。成功への第一歩〜
日時:平成24年3月9日
主催:日本弁理士会近畿支部
詳細:http://www.kjpaa.jp/public/pu_02support/pu_02support_index29.html

演題:知的財産セミナー 特許庁委託 
平成23年度特別研究員 研究成果報告会の御案内
日時:平成24年3月13日
主催:知的財産研究所
詳細:http://www.iip.or.jp/seminar/120313.html

演題:戦略的知財マネジメント促進事業 知的財産セミナー
成功事例に学ぶ!中小企業経営に活かせる知財活動の始め方
日時:平成24年3月15日
主催:発明協会・特許庁・静岡県
詳細:http://www.jiii.or.jp/semina/pdf/0315_hamamatu.pdf
(注:PDFファイル)

演題:「知的財産紛争解決手段としての日本知的財産仲裁センターの活用」
日時:平成24年3月16日
主催:日本知的財産仲裁センター
詳細:http://www.nichibenren.or.jp/event/year/2012/120316.html

演題:2012年3月著作権研究会
「メディアにおけるパブリシティ価値の使用」
日時:平成24年3月16日
主催:著作権情報センター
詳細:http://www.cric.or.jp/seminar/seminar1203.pdf
(注:PDFファイル)

演題:2012年4月著作権研究会
「著作権法近10年の視点・論点(判例・立法政策)」
―インターネットは著作権法のパラダイムを転換したか―
日時:平成24年4月17日
主催:著作権情報センター
詳細:http://www.cric.or.jp/seminar/seminar1204.pdf
(注:PDFファイル)

*詳細は、主催団体のHPへのリンクです。リンク先のコンテンツの内容・著作権等
に関しては、各リンク先にお問い合わせください。

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5.事務局からの連絡
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●次号は、2012年3月21日頃発行の予定です。
●ご意見、ご要望は事務局までどうぞお寄せください。
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■本メールは、IT企業法務研究所の会員様およびLAIT News登録会員様に
同意をいただいた上でお送りしているものです。
 広告や宣伝を行いませんし、誘導もしませんので「特定電子メール」に
該当しませんが、リンク先に広告等があった場合はご了承ください。
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事務局までご連絡ください。
 なお、当メールマガジンに記載されている情報の正確さについては万全を
期しておりますが、本メールによって提供された情報に基づくすべての行為に
よって会員がいかなる損害を受けた場合であっても研究所は一切の責任を
負いかねます。
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【発行元】
IT企業法務研究所
(Legal Affairs on Information Technology Institute:LAIT) 
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【お問合せ先】 IT企業法務研究所 事務局
          株式会社インタークロス
          東京都千代田区内神田2-2-6 田中ビル6F
           TEL:03-5207-5102
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