LAIT NEWS

No.172:バックナンバー

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■LAIT News【Vol.172 2011/6/6号】

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1.LAIT活動報告
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LAITセミナーについてお知らせします。

■■最新の活動報告■■
「画家と著作権―最近の事例からー」は好評のうちに終了いたしました。
たくさんの方にご来場いただき誠にありがとうございました。

■■6月の活動予定■■
演題:「インターネット上の著作権侵害者に対するアクセス切断およびサイト閉鎖」
(諸外国における運用の現状および導入の議論)
講師: 張 睿暎(チャン イエヨン)氏
東京都市大学 環境情報学部 専任講師
立教大学法学部 兼任講師
概要:著作権侵害中止の警告を2度受けたにも関わらず、再度違法ファイル共有を
する者のインターネットアクセスを切断するというフランスのHADOPI法を
きっかけに、「スリーストライクルール」もしくは「三振アウト制」という用語が
使われるようになった。「スリーストライクルール」に関しては、著作権侵害に
対する効果的防止策としてぜひ導入すべきてあるという意見に対して、
インターネットユーザの情報へのアクセス、表現の自由等を阻害する恐れが
あるという反対意見もあり、諸外国においても導入に関しては賛否両論が
ある。
この三振アウト制に関する諸外国の動きはかなり速い。但し、一言で
「スリーストライクルール」といっても、各国の事情により制度の具体的な内容
および議論の様相は異なり、各国の状況を踏まえた理解が必要であると
思われる。
本セミナーでは、
1)すでに三振アウト制を導入して運用している韓国、フランス、アイルランド、
2)三振アウト制を導入はしたものの運用にまでは至ってない台湾、
ニュージーランド、イギリス
3)導入に関して賛否議論のあるドイツ、ノルウェイ、スイス、
フィンランド、スウェーデン、デンマーク、米国、カナダ、オーストラリア、
インドにおける制度導入の背景、運用の実態、議論の内容を
分析・紹介する。
また、三振アウト制とは別に(または並行して)、侵害サイトの閉鎖という 
手段を考慮しているスペイン、イタリア、米国における状況も紹介する。
日時: 平成23年6月13日(月)午後1時30分〜午後3時30分 [注]月曜日開催  
場所: 「アビタス」セミナールーム3
中央区日本橋3−6−2 日本橋フロント4階「アビタス」
    (JR東京駅八重洲口徒歩5分、東京メトロ銀座線・東西線日本橋駅
    B1出口徒歩2分:中央通りと八重洲通りの交差点(日本橋3丁目)
      からタカシマヤ寄り二つ目のビル)
参加費: 3,000円(税込)
申込: http://www.lait.jp/laitseminar.php?itemid=728
協賛: PRE(一般社団法人映像実演権利者合同機構)

[注] 会場が虎ノ門フォーラムから変更になっています。
また、開始時間も通常の2時が1時30分になっていますので、ご注意ください。
[注] 諸事情により、参加費が有料(3,000円)となりますので、ご了承ください。

■■お詫び■■
当初3月開催予定でしたが、東日本大震災にともない、6月に延期になりましたこと
お詫びいたします。

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2.海外の注目ニュース
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海外の注目の最新ニュースをお知らせします。

■■欧州委がデジタル時代に対応した知財権の総合戦略を発表、著作権管理の
一元化など柱■■
●欧州委員会は5月24日、知的財産権に関する総合戦略をまとめた政策文書を
発表した。音楽や映像のインターネット配信が急速に普及している現状を踏まえ、
国境を越えて著作権を一元管理する域内共通の法的枠組みの整備や、著作権者
を特定できない「孤児作品」のデジタル化に関する共通ルールの導入などを柱と
する内容。デジタル時代に対応した知財権保護の枠組みを構築し、新たな
ビジネス機会の創出につなげるのが狙いだ。このほか特定の地域で生産される
明確な特徴を持つ農産品や食品を対象とする「地理的表示」の保護ルールを
拡充し、新たに非農産品に適用することなども打ち出した。
 EUでは現在、国ごとに著作権管理システムが異なるため、複数の国で音楽や
映像の配信サービスを提供する場合、事業者はそれぞれの国で利用許諾を
受けなければならない。欧州委はこうした煩雑な手続きがビジネスの妨げになって
いると指摘し、著作物の利用許諾や著作権使用料の分配に関する共通ルールを
導入する必要性を強調。今年後半にも法案をまとめる方針を示している。
 また、欧州委は著作権の保護期間が存続しているものの、著作権者を特定
できない「孤児作品」を電子化して「デジタル図書館」に収蔵し、ネット上で
閲覧できるようにするための共通ルールを打ち出した。孤児作品であることが
判明した著作物については各国政府の権限で自国の図書館や博物館などに
デジタル化を許可することができるとし、孤児作品と認定するための基準、権利者
を特定するための「ディリジェント・サーチ(入念な探索)」と呼ばれる手続き、
孤児作品の利用条件などを定めている。
 一方、インターネットの普及に伴い深刻化している海賊版や違法ダウンロード
などの問題に対応するため、2009年に創設した欧州模倣品・海賊版監視部門
(EOCP)の権限をより高い専門性と豊富なリソースを持つ欧州共同体商標意匠庁
(OHIM)に移管することを提案している。デジタル環境に適合した知的財産権の
行使を可能にするため、2012年春に2004年の「知的財産権の行使に関する指令」
の見直しを行う。
 製品の品質と地理的起源との関連性を保障する地理的表示に関しては、
非農産品を保護するためのルールが国よって異なり、半数以上の国で知財権と
して保護する仕組みが整っていないのが現状。欧州委はイタリア北部で
産出される「カラーラの大理石」やドイツ西部の「ゾーリンゲンのナイフ」など、
非農産品に地理的表示を導入し、農産品や食品と同様に知財権を保護する
ための法的枠組みを整える必要があると指摘。実現可能性や市場への影響を
分析すると同時に各方面から広く意見を聞き、それらの結果を踏まえて
12年後半に具体的な方向性を打ち出す方針を示している。
(European Commission Press Release, May 24, 2011 他)

■■EU共通特許めぐりイタリアとスペインが異議申し立て、25カ国による
先行導入は「単一市場の理念と矛盾」■■
●EU加盟国のうち25カ国が域内共通の単一特許制度を導入する計画をめぐり、
同構想に反対するイタリアとスペインは5月30日、欧州司法裁判所に異議を
申し立てた。両国は全会一致の承認がないままEU共通特許を創設することは、
EUの基本政策である単一市場の理念に反すると主張。賛同する国だけで
単一特許制度を先行導入することを承認した今年3月の競争力相理事会の決定
を無効とするよう求めている。
 現在EUで特許を取得する仕組みとしては、各国で出願して個別に審査を受ける
方法と、欧州特許庁(EPO)に出願して「欧州特許」を取得する方法がある。ただ、
欧州特許も最終的な認可権限は各国の特許庁が握っており、特許を取得したい
国の制度に合わせてそれぞれ書類を用意しなければならない。とくに出願資料を
各国の言語に翻訳する必要があり、これが企業にとって大きな負担になっている。
 新たな共通特許制度では英語、仏語、独語のうち1つの言語でEPOに出願し、
認可されれば域内全域で同じ効力を持つ特許を取得することができる。複数の国
で特許を取得する際の出願手続きが大幅に簡素化され、翻訳などのコストを大幅
に節減できるため、産業界は早い段階から概ね同構想を支持していたが、自国
言語が選択肢から除外されることに難色を示すイタリアとスペインの強い反対で
調整が難航。紆余曲折の末、加盟国は特定分野で9カ国以上の「有志」による
先行統合を認める「強化協力」の仕組みを活用し、賛同国だけでEU共通特許を
導入することで合意した。
 イタリア外務省は声明で、現在の形でEU共通特許が先行導入された場合
「市場に歪みが生じて国内の企業が不利益を受けることになる」と指摘。同国や
スペインの反対を押し切って単一特許制度を導入することは「単一市場の理念に
反する」と主張し、「加盟国に平等の権利を保障し、言語の多様性を尊重するEU
の精神を守る」ため、欧州司法裁に法的判断を仰いだと説明している。一方、
スペインのガリードEU担当相は「強化協力に基づく閣僚理事会の決定はスペイン
を新たな特許制度から排除するものだ」と強調。「EUの特許制度が言語上の
差別を土台とするものであってはならない。スペイン語は欧州における主要言語
であり、言語上の理由で自国の企業や発明家が不利益を受ける事態は容認
できない」と述べた。
(EurActive, May 31, 2011 他)

(庵研究員著)

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3.政府・団体の動向
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政府・団体の動向に関する最新記事の抜粋です。
詳細の横のURLをクリックすることで記事全文を示したページにアクセスできます。

■■情報セキュリティ法務関連政府・団体の動向■■

●5月16日、日本ネットワークセキュリティ協会が『情情報セキュリティ理解度
チェックサイトの受講結果分析コラム 4.「年代別平均点点数分布分析」』を
公開
詳細:http://www.jnsa.org/result/2010/eslb_repo/

●5月19日、警察庁が「平成22年度総合セキュリティ対策会議 報告書」を公開
詳細:http://www.npa.go.jp/cyber/csmeeting/h22/pdf/pdf22.pdf
(注:PDFファイル)

●5月19日、警察庁が「コミュニティサイトに起因する児童被害の事犯に係る
調査分析について(平成22年下半期)」を公開
詳細:http://www.npa.go.jp/cyber/statics/h22/H22deai-bunseki1.pdf
(注:PDFファイル)

●5月26日、警察庁が『インターネット上の違法情報対策強化のための
「全国協働捜査方式」の本格実施について』を公開
詳細:http://www.npa.go.jp/cyber/warning/h23/110526_1.pdf
(注:PDFファイル)

●5月27日、経済産業省が『平成23年度「情報セキュリティ監査企業台帳」
申告についてのお知らせ』を公開
詳細:http://www.meti.go.jp/policy/netsecurity/is-kansa/audit_is_h23.html
(注:PDFファイル有り)

●5月27日、情報処理推進機構が「情報窃取を目的としたウェブサイトへの
サイバー攻撃に関する注意喚起」を公表
詳細:http://www.ipa.go.jp/about/press/20110527.html

●5月30日、日本ネットワークセキュリティ協会が『情情報セキュリティ理解度
チェックサイトの受講結果分析コラム 5.「都道府県別平均点・点数分布分析」』
を公開
詳細:http://www.jnsa.org/result/2010/eslb_repo/

●6月1日、総務省が「特定電子メール法違反に係る措置命令の実施」を公表
詳細:http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban08_01000032.html

■■コンテンツビジネス法務関連政府・団体の動向■■

●5月23日、情報処理推進機構が「高等教育機関向けにIT技術者育成の
カリキュラム等を新たに策定」を公表
詳細:http://www.ipa.go.jp/about/press/20110523.html

●5月27日、総務省が「ホームページのバリアフリー化の推進に関する調査
<勧告に対する改善措置状況(回答)>」を公表
詳細:http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/45175.html
(注:PDFファイル有り)

■■産業財産権法務関連政府・団体の動向■■

●5月25日、特許庁が「Webとっきょ6月号」を発行
詳細:http://www.jpo.go.jp/torikumi/hiroba/pdf/web_tokkyo/26_all.pdf
(注:PDFファイル)

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4.セミナー情報
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最新のセミナー情報をお知らせいたします。
詳細の横のURLをクリックすることでセミナー詳細情報を示したページにアクセス
できます。

■■情報セキュリティ法務関連セミナー情報■■

演題:2011年度第25回研究大会
リスクマネジメントとシステム監査−東日本大震災からの考察−
日時:平成23年6月10日
主催:システム監査学会
詳細:http://www.sysaudit.gr.jp/taikai/2011taikai.html

演題:JRMS普及セミナー
リスク社会を生き抜くために
日時:平成23年7月7日
主催:日本情報経済社会推進協会
詳細:http://www.jipdec.or.jp/event/jrms/index.html

演題:2011年度第2回定例研究会
日時:平成23年7月15日
主催:システム監査学会
詳細:http://www.sysaudit.gr.jp/kenkyukai/2011teirei2.pdf
(注:PDFファイル)

演題:中小事業者のためのプライバシーマーク制度説明会
日時:平成23年7月27日(第2回)
主催:日本情報経済社会推進協会
詳細:http://privacymark.jp/news/2011/0425/index.html

■■コンテンツビジネス法務関連セミナー情報■■

演題:キャラクターと著作権の基礎知識
日時:平成23年6月10日
主催:東京都中小企業振興公社(アスプラザ)
詳細:http://www.tokyo-kosha.or.jp/chizai/seminar/230610_kyara_tyosakukenn.html

演題:2011年6月著作権研究会
「電子出版における出版社とクリエイターの法律関係」
日時:平成23年6月14日
主催:著作権情報センター
詳細:http://www.cric.or.jp/seminar/seminar1106.pdf
(注:PDFファイル)

演題:「2011年 JEPA著作権セミナー」前期(3回)
著作権の基礎と最近の視点・論点
日時:平成23年6月15日、29日、7月13日
主催:日本電子出版協会
詳細:http://www.jepa.or.jp/seminar/seminar.php?id=171&PHPSESSID=9d34cc96b1791ee620b553b076b5a707

演題:2011年7月著作権研究会
「ソーシャルメディアをめぐる著作権問題」
日時:平成23年7月19日
主催:著作権情報センター
詳細:http://www.cric.or.jp/seminar/seminar1107.pdf
(注:PDFファイル)

演題:Cloud Computing World Tokyo 2011
日時:平成23年8月31日、9月1日
主催:Computerword/CIO Magazine
詳細:http://www.idg.co.jp/expo/ccw/2011/index.html

■■産業財産権法務関連セミナー情報■■

演題:研究成果報告会・セミナー
「東南アジア地域における最新知財情勢」
日時:平成23年6月15日
主催:知的財産研究所
詳細:http://www.iip.or.jp/seminar/110615.html

演題:特許権侵害とその対応の仕方
〜中小企業の方がなすべきことは何か〜
日時:平成23年7月1日
主催:東京都中小企業振興公社
詳細:http://www.tokyo-kosha.or.jp/chizai/seminar/230701_singai.html

演題:第2回知的財産権研修(初級)
日時:平成23年7月11日〜14日
主催:工業所有権情報・研修館
詳細:http://www.inpit.go.jp/jinzai/kensyu/gyosei/syo/23chizai_ken_2.html

*詳細は、主催団体のHPへのリンクです。リンク先のコンテンツの内容・著作権等
に関しては、各リンク先にお問い合わせください。

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5.事務局からの連絡
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●次号は、2011年6月20日頃発行の予定です。
●ご意見、ご要望は事務局までどうぞお寄せください。
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負いかねます。
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【発行元】
IT企業法務研究所
(Legal Affairs on Information Technology Institute:LAIT) 
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