オランダ政府がダウンロード違法化見送りを表明、私的使用目的の複製を引き続き容認

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オランダ政府がダウンロード違法化見送りを表明、私的使用目的の複製を引き続き容認

 オランダ治安・司法省は4日、著作権者の許可を得ずにインターネット上にアップロードされた著作物について、私的使用を目的としてダウンロードする行為を違法化する制度の導入を見送る方針を明らかにした。オランダ議会は昨年12月、違法ソースからの私的使用目的のダウンロード違法化を見送る動議を採択し、政府に対して私的使用のための複製に関する例外規定を維持するよう求めていた。
同国では今後も引き続き、著作権者の許可を得ずにアップロードされた著作物であっても、私的使用を目的とするダウンロードであれば適法とみなされる。

 オランダではこれまで数年間にわたり、私的録音録画補償金制度を維持する代わりに違法ソースからの私的使用目的のダウンロードを引き続き容認するか、それとも違法ソースからの私的使用目的のダウンロードを違法化する代わりに私的録音録画補償金制度を廃止するか、という二者択一の議論が続いていた。
しかし、ダウンロード違法化は自由な情報の流通やオープンなインターネットの理念に反し、表現の自由や知識の共有を阻害するといった意見や、違法ダウンロードを取り締まるための監視行為が利用者のプライバシー侵害につながるといった懸念が根強く、最終的に政府が違法化を断念する形になった。

 なお、オランダでは今年1月1日付で私的録音録画補償金制度が改定され、パソコン、スマートフォン、タブレット端末、オーディオ/ビデオレコーダなどが新たに補償金の対象となる一方、需要が少ないビデオカセットやMDなどは対象から除外されている。

(EDRI-gram, February 13, 2013)

(庵研究員著)

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