ペプシコ販促品の共同体意匠に無効判決、「独自性」の要件満たさず

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ペプシコ販促品の共同体意匠に無効判決、「独自性」の要件満たさず

 欧州司法裁判所(ECJ)の一般裁判所は3月18日、米飲料大手ペプシコが2004年に取得した販促品の玩具に対する欧州連合(EU)の登録共同体意匠(RCD)を無効とする判決を下した。ペプシコの意匠には独自性が認められないと主張するスペイン企業の無効審判請求を棄却した欧州共同体商標意匠庁(OHIM)の決定を覆した形。ペプシコは2カ月以内に上訴することができる。

 問題となっているのはペプシコが欧州市場で販売するスナック類の販促品として配布した紙製の「めんこ」。販促品の製造・販売を手掛けるスペインのGrupo Promer Mon Graphicは、同社が2003年に意匠権を取得しためんこのデザインにペプシコの販促品が酷似していると主張し、OHIMに無効審判を請求した。OHIMはこれに対し、販促品の開発では廉価性や安全性といった条件を満たす必要があり、意匠の独自性を評価する際に「意匠創作者の自由度(freedom of designer)」を考慮する必要があると指摘。外観から受ける全体としての印象が異なる場合は小さな相違点であっても異なる意匠とみなすことができるとし、無効化の請求を棄却した。Grupo Promer Mon GraphicはOHIMの決定を不服としてECJに異議を申し立てていた。

 裁判所は判決で、「通常の知識を有する使用者(informed user)」が2つの意匠から異なる「全体的な印象(overall impression)」を受けたとは考えにくく、外観の類似性は意匠創作者の自由度が制限された結果ではないと指摘。ペプシの意匠にRCDの認定要件である独自性は認められないと結論づけた。

(EUbusiness.com, March 23, 2010 他)

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