中ロなど10カ国を優先監視国に、IIPAがスペシャル301条レポートで提言

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中ロなど10カ国を優先監視国に、IIPAがスペシャル301条レポートで提言

 米国企業の知的財産権保護を目的とする国際知的財産権同盟(IIPA)は2月18日、世界各国の知的財産権保護の現状と米企業への影響をまとめた年次報告書「スペシャル301条レポート」を米通商代表部(USTR)に提出した。IIPAはこの中で39カ国・地域をUSTRの監視対象国とし、このうち中国、ロシア、インドなど10カ国を優先監視国に指定するよう提言している。

 USTRは1974年の米国通商法301条に基づき、1年ごとに知的財産権の保護レベルが不十分な国や公正かつ公平な市場アクセスを認めない国を特定しているが、審査過程でIIPAをはじめとする業界団体の意見が考慮される。

 IIPAは中国について、全体としては知財保護の向上が認められるものの、模造品や海賊行為の取り締まりがなお不十分と指摘。違反者に対する罰金が低く抑えられている点や、訴訟制度が効率的に機能していない点などを問題視し、中国政府に対して引き続き知財保護・執行の強化を求めるよう勧告している。一方、ロシアについても多くの分野で進展がみられるとしたうえで、WTO加盟承認に向けて2006年に締結した米ロ間の二国間協定への対応が不十分と指摘。ロシア政府に対して同協定の完全な履行を促すよう求めている。

 一方、IIPAはインドネシアなど一部の国で政府がオープンソースの導入を奨励しているケースに触れ、こうした動きはソフトウェア企業による市場へのアクセスを制限するもので貿易の障害になりかねないと警告。監視対象国のリストを作成する際、政府によるオープンソース支援の有無を新たな審査基準とするよう提言している。

 IIPAには全米レコード協会(RIAA)、米国映画協会(MPAA)、米国出版者協会(AAP)、ビジネス・ソフトウェア・アライアンス(BSA)など7つの業界団体が加盟しており、会員企業は合わせて1,900社を超える。

(IIPA Press Release, February 18, 2010)

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