コンテンツ流通の単一市場構築へ、欧州委が指針策定に着手

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 欧州委員会は3日、音楽・映画・ゲームなどの違法ダウンロードを防止して合法的なオンライン配信サービスを促進するため、デジタルコンテンツの著作権保護などに関するEU共通ルールを策定して単一市場の形成を目指す方針を発表した。2月29日までの間、コンテンツ制作会社、インターネット接続業者、通信会社、消費者などから広く意見を募集し、今年半ばまでに勧告案をまとめる。
欧州委によると、EU域内におけるオンラインコンテンツ市場は2005年の18億ユーロから2010年には4倍以上の83億ユーロに拡大するとみられているが、国によって異なる著作権保護のルールや仕組みが複数の市場で事業展開するうえで大きな障害になっている。欧州委は同日採択した政策文書の中で◆EU全域または複数市場でのコンテンツ配信を容易にする域内共通の著作権ライセンスの導入◆デジタル著作権管理(DRM)システムの互換性確保◆著作権侵害対策の強化----などを早急に取り組むべき課題として挙げている。
欧州委のレディング委員(情報社会・メディア担当)は声明で「国ごとに異なる規制や、私的使用目的の複製といった基本的な問題をめぐる利害関係者の対立が欧州のコンテンツビジネスを苦しめている」と指摘。コンテンツ産業の成長を促すには事業者に明確な法的枠組みを示す一方、クリエーターに著作権保護を含めた正当な対価を保証し、消費者には多様なコンテンツへのアクセスを提供する必要があると強調している。

(European Commission Press Release, January 3, 2008)

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