実演家の著作隣接権保護期間(英下院特別委が延長を勧告)

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英下院文化・メディア・スポーツ特別委員会は16日、実演家に認められる著作隣接権の保護期間を現行の50年から少なくとも70年に延長すべきだとする勧告書をまとめた。
 英国では1950年代後半から60年代初頭にリリースされたクリフ・リチャード、ビートルズ、ローリングストーンズなどのヒット曲が数年後に相次いで隣接権保護の対象外となることから、ミュージシャンや音楽業界から保護期間の延長を求める声が高まっている。しかし、政府が昨年12月に保護期間の据え置きを勧告した報告書(Gowers Report)を支持する方針を表明したことから、当面は現行ルールが維持されるとの見方が広がっていた。
 英国では著作物の保護期間は作家や作曲家など著作者の死後70年間となっている。これに対してミュージシャンの場合、個々の楽曲に係る隣接権の保護期間はレコーディングから50年で、米国の95年や豪州の70年と比べても短く設定されている。
 下院特別委は勧告書の中で「作詞家や作曲家とその相続人が生涯にわたって著作権保護の恩恵を受ける一方、実演家に同様の権利を認めない正当な理由はどこにもない」と強調。さらに「英国における創造的ビジネスの実績と重要性を考えた場合、この分野で英国ほど成果を上げていない諸外国と比べて知的財産権の保護が遅れているのは奇妙なことだ」と指摘し、早急に現行法の見直しが必要と結論づけた。

 (Financial Times, May 17,2007)

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