欧州特許の翻訳に関する議定書、仏憲法院が合憲判断

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仏憲法院は9月28日、欧州特許の翻訳コストの削減を目的とする「欧州特許条約における翻訳に関する議定書(ロンドンプロトコル)」への加入は、憲法第2条の規定に違反しないとの判断を示した。現行ルールでは、特許が付与された後、クレームと明細書の全文を指定国の公用語に翻訳する必要があるが、議定書によると、明細書については必ずしも指定国の公用語に翻訳する必要がなくなる。このため多くのケースで事実上、フランス語への翻訳が行われなくなる可能性が高いとして、超党派の国会議員が「共和国の言語はフランス語である」と規定した憲法第2条との整合性について審査を請求していた。憲法院の合憲判断を受け、今後は議会で議定書の批准手続きが進められることになる。
同議定書は2000年10月にロンドンで開かれた政府間会合で採択され、英国、フランス、ドイツ、オランダ、スイスなど10カ国が署名を行った。議定書の発効には、欧州特許条約(EPC)加盟国のうち英、仏、独(1999年実績で特許付与件数の上位3カ国)を含む8カ国の批准が必要。すでに英国とドイツでは承認手続きが進んでおり、仏語の地位低下などを理由に実務家の間で反対論が根強いフランスの対応が鍵を握ると目されていた。

(Managing Intellectual Property, October 2, 2006)

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